このページでは米国ETFとは何かをわかりやすく解説します。
米国ETFとはアメリカに上場している投資信託であり、世界中の投資家が利用している素晴らしい金融商品です。
米国ETFをポートフォリオの中心として資産運用している投資家は本当に多いと思います。
ただ、「米国ETFって何?」と思っている投資家も多いはずです。
初心者は敬遠しがちですが、米国ETFへの投資を検討する価値はあります。
米国ETFとは
米国ETFとは「アメリカの証券取引所に上場している投資信託」です。
ETFとは上場投資信託のことであり、アメリカの証券取引所に上場しているETFを「米国ETF」と呼びます。
つまり、日本の証券取引所に上場している投資信託は日本ETF(国内ETF)ということです。
米国ETFはアメリカに上場しているだけで、日本ETFと性質は大きく変わりません。
ETFの特徴を投資信託と比較して以下に紹介します。
ETF | 投資信託 | |
上場・非上場 | 上場 | 非上場 |
取引価格 | リアルタイムで変動 | 申込締め切り後に算出される |
買い方 | 指値・成行注文(株式と同じ) | 金額買付・口数買付・積立買付 |
購入手数料 | 買付手数料あり(証券会社によって異なる) | 買付手数料あり(投資信託によって異なる) |
信託報酬 | あり(投資信託と比べて安い) | あり(ETFと比べて高い) |
売却時の費用 | 売却手数料(証券会社によって異なる) | ・解約手数料(投資信託によって異なる) ・信託財産留保額(投資信託によって異なる) |
分配金 | 分配金は受け取り(課税対象) | 分配金は投資信託によって異なる(受け取り・再投資) |
簡単に解説していくと
ETFは株式と同じようにリアルタイムで価格変動しますが、投資信託は申込締め切り後に価格が計算されます。
つまり、投資信託の場合、投資家は当日の価格がわからない状況で取引を行うのです。
ETFの買い方には成行注文(価格指定せずに買う)、指値注文(価格指定して買う)の2種類があります。
投資信託の買い方は金額買付(金額を指定)、口数買付(口数を指定)、金額買付(定額コースを指定)です。
ETFの買付手数料は証券会社によって違います(ネット証券では最低5ドル~上限20ドルくらい)
投資信託の買付手数料は投資信託ごとに違います(0%~数%までさまざま)
ETFと投資信託ともに信託報酬を払う必要がありますが、ETFの方が安く設定されています(米国ETFは特に安いです)
ETFの売却時の費用は買付時と同じです。
投資信託の売却時の費用は投資信託によって異なり、解約手数料や信託財産留保額を払う場合があります。
ETFの分配金は投資家が受け取ります。
投資信託の分配金は投資信託ごとに異なり、「受け取り」か「再投資」の2つに分かれます。
米国ETFとは上記の特徴があるアメリカ版のETFと理解して問題ありません。
今の時代は日本に住みながら米国ETFに投資することができるのだから驚きです
米国ではETFを利用した資産運用が活発
アメリカではETF市場がとても活発であり、日本のETF市場とは比べ物になりません。
各国のETF残高を比較すると米国ETF市場の大きさがわかります。
国 | ETF残高(百万ドル) |
アメリカ | 2524376 |
アイルランド | 303621 |
日本 | 173970 |
ルクセンブルク | 86607 |
フランス | 73996 |
中国 | 55330 |
ドイツ | 43979 |
韓国 | 20809 |
台湾 | 8047 |
インド | 5057 |
引用:投資信託の制度・実態の国際比較/杉田浩治
驚くことにアメリカが世界のETFシェアの7割以上を占めているのです。
ブラックロック、バンガードといったアメリカの運用会社が世界のETFを支配しているといっても過言ではありません。
そして、ETFにかぎらずですが、投資の世界では「どこにお金が集まっているか」がとても重要なのです。
なぜかというと、資金があると、①運用の安定・成長、②流動性の確保につながるからです。
運用会社にお金が集まっていると、安定したETFの運用が可能となりますし、新たな取り組みにもチャレンジしやすいです。
また、資金が集中しているETFはたくさんの投資家が取引しているので、売買が成立しやすく流動性を確保しやすいです。
世界シェア7割の米国ETFは豊富な資金という素晴らしい強みをもっています。
つまり、米国ETFは「最強のETF」なのです。
米国ETFの種類
米国ETFの種類はたくさんありますが、大きく分類すると以下の3つに分けられます。
- 地域別
- 投資対象別
- テーマ別
少し強引な分類ですが、ETFは「どの地域の」「どの投資対象に」「どんなテーマで」投資をするかで分けられるのです。
地域別でいうと、アメリカ、ヨーロッパ、日本、中国、アジア、中南米など、世界各国が対象です。
投資対象別でいうと、株式、債券、不動産、コモディティ(金や石油などの商品)など、さまざまな金融商品が対象です。
テーマ別でいうと、株価指数、業種・セクター、配当など、投資家のニーズが対象です。
米国ETFの種類はたくさんあるのですが、日本在住の個人投資家にとって投資価値がある米国ETFは限定されます。
投資価値のある米国ETFは以下のとおり。
全世界株式 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF |
全世界株式(米国除く) | バンガード・トータル・インターナショナル・ストックETF |
S&P500指数 | バンガード・S&P500 ETF iシェアーズ・コア S&P 500 ETF |
米国株式 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
米国高配当株式 | バンガード・米国高配当株式ETF iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF |
先進国(米国除く) | バンガード・FTSE先進国市場ETF |
新興国 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
個人的には上記の米国ETFから選択すればいいと思っています。
自分の投資方針にしたがって、自分の好きな米国ETFを選びましょう。
米国ETFの種類はたくさんありますが、私のような小さな個人投資家は、すべての米国ETFを把握しておく必要はないのです。
米国ETFの規模はどんどん大きくなっていく
ETFの市場シェア7割を占める米国ETFの規模はこれからもどんどん大きくなっていくでしょう。
実際にETF残高は年々と増加しています。
引用:拡充をつづける世界のETF/杉田浩治
世界のETF残高は2009 年に1兆ドル、2013 年に2兆ドル、2016 年に3 兆ドルというように拡大しているのです。
ETFの運用コストの低下、投資家のパッシブ志向の高まり、ETF商品の充実などによって、ETF市場は急成長しています。
世界大国アメリカはETF市場の成長とともに、米国ETFの規模を大きくしていくはずです。
投資家として勝負するなら大きな市場を狙うべきですし、これからも米国ETFの動向に注目しましょう。
まとめ
米国ETFとは「アメリカの証券取引所に上場している投資信託」であり、大きな市場をもっている金融商品です。
アメリカではETFによる資産運用が活発であり、米国ETFにはたくさんのお金が集まっています。
つまり、米国ETFには成長・可能性・流動性があるということです。
今の時代は日本に住みながらでも米国ETFに投資できるから幸せです。
米国ETFの投資は検討する価値があると思います。
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