このページでは米国ETFの手数料負けしない運用法について解説します。
私はSBI証券で米国ETFを運用していますが、外国株式の売買で気になるのが「手数料」です。
国内株式・ETF・投資信託の運用においても手数料は重要ですが、米国ETFではさらに気を遣わないといけません。
なぜかというと、米国ETFの手数料負けによってリターンが目減りするからです。
手数料負けしないために米国ETFの手数料の仕組みを理解しておくべきです。
米国ETFは素晴らしい金融商品ですが、手数料対策ができない投資家は手を出すべきではないでしょう。
米国ETF運用に必要な手数料
米国ETFへの投資に必要な手数料は主に2つあります。
- 信託報酬
- 売買手数料
上記は国内ETF・投資信託でも必要となる手数料なので特別なコストではありません。
ただ、米国ETFの信託報酬は低コストだからといって安易に飛びつくのは待ちましょう。
また、米国ETFの売買手数料を気にせずにいると資産が目減りしてしまうかもしれません。
これから米国ETF運用を始める方は、手数料のポイントをしっかりと理解して、自分なりの資産形成を実践するべきです。
米国ETFの信託報酬
米国ETFの信託報酬とは運用管理手数料のことです。
専門家が米国ETFを運用してくれるかわりに、投資家は信託報酬(運用管理手数料)を払います。
私たちのような個人投資家が米国ETFを運用できるのは、専門家が米国ETFを管理・運用してくれているからです。
信託報酬は基本的に「年率○%」で表示され、米国ETFを保有しているかぎり支払い続ける手数料です。
バンガード社HPを例に紹介すると、下記の赤枠で囲まれた部分(経費率)が信託報酬を示しています。
信託報酬は米国ETFの純資産価額に年率○%をかけた金額が、日割り計算されて上場日ごとに差し引かれます。
【○○ETF】
・基準価額200ドル
・保有口数100口
・信託報酬0.05%
上記の場合、純資産価額は20000ドルなので、信託報酬は年間で10ドルです(20000×0.0005=10)
ただ、信託報酬は自動的に差し引かれるので計算したところで意味はないと思っています。
投資家は「できるだけ信託報酬の低い米国ETFを選ぶ」ことを意識すれば十分です。
最近になって米国ETFの信託報酬が引き下げられており、年率0.04%~0.2%台に収まっている印象です。
特にバンガード社は積極的に信託報酬を引き下げており、それにともなってETFの規模が急速に膨らんでいます。
投資家からすれば信託報酬が低ければ低いほど嬉しいです。
今の時代は低コストの米国ETFが充実しているので恵まれています。
米国ETFの売買手数料
米国ETFの売買手数料は銘柄を取引するたびに支払う手数料です。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社とも米国ETFの売買手数料を以下のとおりに設定しています。
【約定代金の0.45%(税込0.486%)】
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
米国ETFの基本的な売買手数料は約定代金に0.45%をかけた金額です。
売買手数料は買付時と売却時にかかるので、単純計算すると往復0.9%の手数料が必要となります。
以前までは米国ETFの最低手数料は5ドルでしたが、2019年7月頃から手数料引き下げ競争があり、SBI証券、楽天証券、マネックス証券の3社とも最低手数料が0ドルになりました。
最低手数料が0ドルになったことで少額取引での手数料負けはなくなりましたが、手数料負担を軽減したいなら買付方法に工夫が必要です。
米国ETFの手数料負けについて
米国ETFの手数料負けとは「割高な売買手数料を支払っている」ということです。
割高な手数料を支払っており、効率的な米国ETF運用ができていないとも言えるでしょう。
手数料は利益を目減りさせるので、割高な手数料はあなたの資産を食いつぶします。
では、米国ETFにおいて割高な手数料と割安な手数料はいくらなのでしょうか。
さきほども紹介しましたが、米国ETFの売買手数料は以下のとおりです。
【約定代金の0.45%(税込0.486%)】
・最低手数料:0ドル
・上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
上記の数字を使って、売買金額ごとに手数料金額と手数料率を計算しました。
青ゾーン:割安
売買金額(ドル) | 売買手数料(ドル) | 手数料率(%) |
10 | 0.0486 | 0.486 |
100 | 0.486 | 0.486 |
1000 | 4.86 | 0.486 |
1111 | 5.4 | 0.486 |
1500 | 7.29 | 0.486 |
3000 | 14.58 | 0.486 |
4000 | 19.44 | 0.486 |
4444 | 21.6 | 0.486 |
5000 | 21.6 | 0.432 |
6000 | 21.6 | 0.36 |
10000 | 21.6 | 0.216 |
20000 | 21.6 | 0.108 |
50000 | 21.6 | 0.043 |
100000 | 21.6 | 0.021 |
米国ETFの売買手数料の下限が引き下げられたことで、少額取引による手数料負けが軽減されました。
最低手数料が0ドルになり、少額取引での過度な割高手数料はなくなりました。
しかし、手数料はできるだけ低いほうがいいです。
- 売買金額1000ドルの手数料率は0.486%
- 売買金額10000ドルの手数料率は0.216%
上記2つのケースを比べたとき、どちらが手数料負けしているかは一目瞭然だと思います。
米国ETFで手数料負けしないために売買金額を意識しておきましょう。
- 売買金額2.05ドル以下は手数料0ドル
- 売買金額2.05~4444ドルまでの間は基本どおりの手数料
- 売買金額4445ドル~以降は割安手数料
手数料を気にせず海外ETFを運用していたら、知らないうちにリターンは目減りしてしまいます。
米国ETFで手数料負けしない方法
米国ETFで手数料負けしない方法は2つあります。
- まとまった金額で米国ETFを売買する
- NISA口座で米国ETFを売買する
上記の手数料対策ができない人は米国ETFに投資するべきではないでしょう。
まとまった金額で米国ETFを売買する
米国ETFの売買金額が大きいほど手数料は割安傾向になるので、できるだけまとまった金額で売買しましょう。
- 理想は1万ドル以上での売買
- できるだけ4445ドル以上での売買
- 資金がないなら4445ドル以下での売買
1万ドルの売買となれば手数料率は0.2%台まで下がるので、資産形成のスピードが大きく上がるでしょう。
4445ドル以上の売買では手数料がそれなりに割安となるので、長期投資家は気にならないレベルだと思います。
まとまった資金がない場合は0.486%の手数料を払うしかありません。
NISA口座で米国ETFを売買する
SBI証券、楽天証券、マネックス証券では、NISA口座で米国ETFを取引したときの売買手数料が無料(or キャッシュバック)となっています。
つまり、NISA口座では米国ETFを何回取引しようが売買手数料はかからないのです。
私はNISA口座で米国ETFに投資していますが、手数料負けを気にすることなく運用できています。
NISA口座は米国ETFに憧れている投資家の背中を押してくれるでしょう。
まとめ
米国ETFの手数料とは長い付き合いになるのでしっかりと把握しておきましょう。
米国ETFの信託報酬はできるだけ低い銘柄を選ぶべきです。
信託報酬は米国ETFを保有しているかぎり支払うので、長期投資家にとっては大きなコストになります。
また、米国ETFの売買手数料を意識してください。
効率的に資産を増やしたいなら、売買手数料を抑えたほうがいいに決まってます。
割高の手数料で投資をしていけないわけではありませんが、割安にする努力はするべきでしょう。
▼米国ETFの投資ガイド▼
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