このページでは個人的におすすめする米国ETFを紹介します。
初めての米国ETF投資は銘柄選択に困ります。
- 初心者におすすめの米国ETFはどれ?
- 米国ETFは何を買えばいいのか?
米国ETFはたくさんあるので、初心者はどれを買えばいいのかわからないでしょう。
投資をしてから後悔しないために、米国ETFのリサーチをすることが大切です。
米国ETFのおすすめ銘柄を限定することは難しいですが、ここで紹介する銘柄に投資をしておけば、大きな失敗をすることはないと思います。
米国ETFのおすすめ銘柄3選
私がおすすめする米国ETFは目新しいものではなく、投資の世界ではとても有名な銘柄です。
- VTI
- VOO
- VT
個人的におすすめだと思う米国ETFは上記の3銘柄です。
投資家の方々から「言われなくてもわかっている!」と批判されるくらいに有名な米国ETFです。
ただ、それほどに素晴らしい米国ETFなので、初心者におすすめできる銘柄だと思っています。
アメリカに投資する「VTI」
VTIはバンガード社のETFであり、CRSP USトータル・マーケット・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指している商品です。
VTIに対するバンガード社の投資アプローチは以下のとおり。
・CRSP USトータル・マーケット・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。
・グロースおよびバリュースタイルに分散した大型株、中型株および小型株へのエクスポージャーを提供。
・インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用。
・ファンドはフルインベストメントを維持。
・低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
引用:バンガード・インベストメンツ・ジャパン
CRSP USトータル・マーケット・インデックスは米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーしている株価指数です。
つまり、VTIに投資するということは、アメリカ全域に投資するということです。
【ファンドデータ】
ベンチマーク | CRSP USトータル・マーケット・インデックス |
構成銘柄数 | 3579(2019/04/30) |
経費率 | 0.03%(2019/05/31) |
ETF資産総額 | 1150.38億ドル(2019/04/30) |
設定日 | 2001年5月24日 |
配当スケジュール | 四半期ごと |
基準価額 | 140.76ドル(2019/05/31) |
トータルリターン | 基準価額リターン(2019/04/30) ・年初来リターン:18.57% ・1年リターン:12.72% ・3年リターン:14.77% ・5年リターン:11.19% ・設定来リターン:7.31% |
VTIは年率0.03%という低コストで米国株式市場のほぼ100%(3579銘柄)に投資することができるのです。
純資産総額はバンガード社のトップクラスで人気の高さがわかります。
トータル・リターンは設定来では少し落ち込みますが、年初来~5年の間では十分すぎる成績といえるでしょう。
そして、VTIでは3579銘柄に投資をしているので、個人投資家にはできない分散投資を実現してくれます。
【VTI構成銘柄上位10】(2019年4月30日)
順位 | 銘柄 | 割合 |
1位 | マイクロソフト | 3.39% |
2位 | アップル | 2.88% |
3位 | アマゾン | 2.72% |
4位 | アルファベット | 2.40% |
5位 | フェイスブック | 1.56% |
6位 | バークシャー・ハサウェイ | 1.43% |
7位 | JPモルガン | 1.29% |
8位 | ジョンソン&ジョンソン | 1.27% |
9位 | エクソンモービル | 1.15% |
10位 | ビザ | 0.97% |
3579銘柄のうち上位10銘柄はアメリカだけでなく全世界で活躍している大企業です。
フェイスブック、アップル、アマゾン、アルファベット(グーグル)、フェイスブックなど、私たちの生活に欠かすことができない企業ばかり。
【過去の分配金実績】
分配落ち日 | 1口あたり分配金額 |
2019年3月25日 | 0.7720ドル |
2018年12月24日 | 0.7209ドル |
2018年9月28日 | 0.7142ドル |
2018年6月22日 | 0.6034ドル |
2018年3月26日 | 0.5661ドル |
過去の実績をみると、VTIは平均して1口あたり50~70円程度の分配金を出しています。
VTIの安定的な分配金の再投資によって、さらに資産を増やしていくこともできるでしょう。
アメリカは世界大国であり、アメリカ経済が全世界に与える影響はとても大きいです。
これからもアメリカ経済は成長していくでしょうし、それとともにVTIも成長していくと思います。
アメリカの発展を信じて、アメリカ経済の恩恵を受けたいのなら、VTIの投資を検討するべきです。
S&P500に投資する「VOO」
VOOはバンガード社のETFであり、S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指している商品です。
VOOに対するバンガード社の投資アプローチは以下のとおり。
・S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指す。
・大型株を投資対象とする。
・完全法を用いたパッシブ運用。
・ファンドはフルインベストメントを維持。
・低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
引用:バンガード・インベストメンツ・ジャパン
S&P500指数は米国の主要業種を代表する大企業500銘柄をカバーしている株価指数です。
つまり、VOOに投資するということは、アメリカの有力企業に投資するということです。
【ファンドデータ】
ベンチマーク | S&P500指数 |
構成銘柄数 | 508(2019/04/30) |
経費率 | 0.03%(2019/05/31) |
ETF資産総額 | 1130.35億ドル(2019/04/30) |
設定日 | 2010年9月7日 |
配当スケジュール | 四半期ごと |
基準価額 | 252.91ドル(2019/05/31) |
トータルリターン | 基準価額リターン(2019/04/30) ・年初来リターン:18.24% ・1年リターン:13.48% ・3年リターン:14.84% ・5年リターン:11.59% ・設定来リターン:14.49% |
VOOはS&P500指数という素晴らしいベンチマークに低コスト(年率0.03%)で投資できるのです。
VOOの純資産額は申し分ないほどあり、規模と流動性は問題ないと思います。
期間別でトータル・リターンは10%以上を維持しており魅力的な数字です。
ファンド設定日がリーマンショック以降ということもあり、設定来リターン(14.49%)も素晴らしい成績となっています。
そして、VOOは代表的なアメリカの大企業508銘柄で構成されています。
【VOO構成銘柄上位10】(2019年4月30日)
順位 | 銘柄 | 割合 |
1位 | マイクロソフト | 4.06% |
2位 | アップル | 3.64% |
3位 | アマゾン | 3.22% |
4位 | アルファベット | 2.93% |
5位 | フェイスブック | 1.87% |
6位 | バークシャー・ハサウェイ | 1.70% |
7位 | JPモルガン | 1.53% |
8位 | ジョンソン&ジョンソン | 1.52% |
9位 | エクソンモービル | 1.38% |
10位 | ビザ | 1.16% |
日本人でも名前を知っている大企業ばかりで、構成銘柄上位をみているだけでVOOの力強さを感じます。
ちなみに、純資産総額に占める上位10銘柄の割合は23.0 %なので、上位10銘柄がETFの4分の1の規模を占めているのです。
【過去の分配金実績】
分配落ち日 | 1口あたり分配金額 |
2019年3月21日 | 1.4551ドル |
2018年12月17日 | 1.2890ドル |
2018年9月26日 | 1.2067ドル |
2018年6月28日 | 1.1573ドル |
2018年3月26日 | 1.0837ドル |
過去の実績をみると、VOOは平均して1口あたり100円程度の分配金を出しています。
VOOは有力企業を中心に投資しているので、分配金もそこそこの金額になっています。
ちなみに、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットは、妻に対して自分の死後はS&P500に連動するインデックスファンドに投資するように伝えているそうです。
バフェットが妻に勧めるほどS&P500指数は素晴らしいベンチマークであるということ。
全世界に投資する「VT」
VTはバンガード社のETFであり、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指している商品です。
VTに対するバンガード社の投資アプローチは以下のとおり。
・FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。
・インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用。
・ファンドはフルインベストメントを維持。
・米国を含む全世界の先進国株式および新興国株式市場への幅広いエクスポージャーを提供。
・低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑える。
引用:バンガード・インベストメンツ・ジャパン
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスは米国を含む先進国および新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株をカバーしている株価指数です。
つまり、VTに投資するということは、全世界に投資するということです。
【ファンドデータ】
ベンチマーク | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス |
構成銘柄数 | 7989(2019/04/30) |
経費率 | 0.09%(2019/05/31) |
ETF資産総額 | 120.75億ドル(2019/04/30) |
設定日 | 2008年6月24日 |
配当スケジュール | 四半期ごと |
基準価額 | 71.20ドル(2019/05/31) |
トータルリターン | 基準価額リターン(2019/04/30) ・1年リターン:4.99% ・3年リターン:11.67% ・5年リターン:7.21% ・設定来リターン:6.21% |
VTは年率0.09%という低コストで全世界の株式に投資できるのです。
ちなみに、私はNISA口座を利用してVTに投資しています。
さきほどのVTI・VOOと比べると経費率、純資産総額、トータル・リターンは見劣りしますが、VTの魅力は構成銘柄の多さです。
VTはアメリカだけでなく、日本・イギリス・フランス・ドイツなどの先進国、中国・インド・ブラジルなどの新興国にも投資しています。
7989銘柄という幅広い銘柄に投資したいならVTを選ぶべきでしょう。
【VT構成銘柄上位10】(2019年4月30日)
順位 | 銘柄 | 割合 |
1位 | マイクロソフト | 1.86% |
2位 | アップル | 1.79% |
3位 | アマゾン | 1.49% |
4位 | アルファベット | 1.35% |
5位 | フェイスブック | 0.86% |
6位 | バークシャー・ハサウェイ | 0.79% |
7位 | JPモルガン | 0.72% |
8位 | ジョンソン&ジョンソン | 0.71% |
9位 | エクソンモービル | 0.64% |
10位 | ネスレ | 0.55% |
VTの魅力は世界分散投資ですが、構成銘柄上位はアメリカ大企業が占めています。
VTの構成銘柄1~9位はVTI・VOOと同じです。
ただ、VTI・VOOと比べると、純資産総額に占めるアメリカ大企業の割合は少なくなっており、第10位にはスイスに本社を置く世界最大の食品・飲料会社「ネスレ」がランクイン。
【過去の分配金実績】
分配落ち日 | 1口あたり分配金額 |
2019年3月25日 | 0.2810ドル |
2018年12月24日 | 0.4890ドル |
2018年9月26日 | 0.3615ドル |
2018年6月22日 | 0.5511ドル |
2018年3月26日 | 0.2573ドル |
過去の実績をみると、VTは平均して1口あたり20~50円程度の分配金を出しています。
分配金についてもVTI・VOOと比べると物足りないです。
VTはアメリカ以外の国にも分散投資していて、アメリカ経済の成長を100%取り込めないので仕方がありません。
VTIとVOOとVTではどれを選べばいいのか
米国ETFのおすすめ3選としてVTIとVOOとVTを紹介しましたが、どれを選ぶかはあなたの投資方針次第です。
上記で紹介したファンドデータを比較すると以下のとおり。
VTI | VOO | VT | |
構成銘柄数 | 3579 | 508 | 7989 |
経費率 | 0.03% | 0.03% | 0.09% |
ETF資産総額 | 1150.38億ドル | 1130.35億ドル | 120.75億ドル |
基準価額 | 140.76ドル | 252.91ドル | 71.20ドル |
1年リターン | 12.72% | 13.48% | 4.99% |
3年リターン | 14.77% | 14.84% | 11.67% |
5年リターン | 11.19% | 11.59% | 7.21% |
分散投資に強みがあるのはVTだと思います。
VTIも3579銘柄と幅広く分散されていますが、他の先進国や新興国を含んでいないので、VTの7989銘柄には勝てません。
経費率だけならVTIとVOOが低コストです。
VTは世界分散投資をしているので、他の先進国や新興国への投資コストがかかり、VTI・VOOと比べて割高になっています。
純資産総額はVTIが圧倒的で、VOOも十分すぎるほどあり、VTは少し見劣りします。
純資産総額が多いということはたくさんのお金が集まっているということ。
純資産総額が多ければ多いほど、安定的な運用が可能で、流動性も維持されやすいです。
過去のリターンが良いのはVOOとVTIです。
VTは他の先進国や新興国に分散投資しているので、アメリカ経済の成長を100%取り込むことができず、VTI・VOOと比べてリターンが低くなっています。
あなたがアメリカ経済の成長を第一に掲げるなら、VTI・VOOに投資するべきでしょう。
私はVTだけにコツコツ投資をしている
私はNISA口座を利用して、VTを積立投資しています。
投資初心者がVTを選んだ理由は世界分散投資を重視したからです。
私は投資の基本は分散投資だと思っているので、できるだけ幅広い分散ができる銘柄を選びました。
アメリカ経済が絶好調で、VTIやVOOは素晴らしい成績を上げていますが、20~30年後の未来はわかりません。
アメリカ経済の好調がこのまま続くかもしれないし、新興国が盛り返してくるかもしれない。
アメリカ経済が減速して、ヨーロッパ経済が急成長するかもしれない。
今の時代はアメリカ集中投資が素晴らしい成績を残していますが、これからも同じように成長していけるかはわかりません。
私が分散投資を重視するのは、未来がどうなるかわからないからです。
未来がわからない投資初心者はVTを利用して全世界に投資しています。
まとめ
米国ETFの種類は多いですし、投資家によって考え方はさまざまなので、おすすめ銘柄は十人十色だと思います。
ただ、個人的におすすめする米国ETFはVTIとVOOとVTです。
VTIとVOOはアメリカ経済の利益を十分に受け取ることができます。
また、世界大国アメリカの影響はすさまじく、アメリカへの投資はグローバルな投資ということもできるでしょう。
VTは全世界への分散投資ができます。
個人では絶対に不可能な約8000銘柄への分散投資を実現してくれるのがVTです。
「幅広い分散投資は思考停止である」といわれますが、投資初心者にとって分散投資は気休めになります。
この記事で紹介した米国ETFはほんの一部にすぎません。
米国ETFはたくさんの種類があるので、あなたの投資方針にあわせて考えましょう。
▼米国ETFの投資ガイド▼
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