このページではインデックス投資の利回りについて解説します。
インデックス投資は初心者におすすめと言われても、どれだけの利益を上げられるのかイメージしにくいです。
正直なところ、インデックス投資をすれば絶対にお金が増えるとは言えません。
しかし、株式市場の歴史を振り返って、インデックス投資は平均的にプラスリターンを上げてきたというデータがあるのです。
私もインデックス投資の過去の利回りが良かったという事実を信じて投資を続けています。
インデックス投資の平均利回りはどれくらい
私はインデックス投資の平均利回りを4%~10%だと思っています。
なぜなら、多くの投資本ではインデックス投資の利回りを4%~10%の間で示しているから。
私のおすすめインデックス投資本からいくつか紹介します。
インデックス投資の入門書である「お金は寝かせて増やしなさい」では、資産配分別にインデックス投資の利回りを以下のように示しています。
【資産配分別】インデックス投資の期待利回りの目安(引用:お金は寝かせて増やしなさい)
国内債券 | 国内株式 | 先進国株式 | 新興国株式 | 期待利回り |
0% | 10% | 80% | 10% | 5.4% |
10% | 9% | 72% | 9% | 5.0% |
20% | 8% | 64% | 8% | 4.5% |
30% | 7% | 56% | 7% | 4.1% |
インデックス投資の資産配分で、株式割合を高くすれば期待利回りは上がり、株式割合を低くすれば期待利回りは下がります。
また、インデックス投資のバイブルである「敗者のゲーム」では、長期の平均年間利回りを以下のように示しています。
各資産のインフレ調整後の超長期平均年間収益率をほぼ次のとおりと見る。
引用:敗者のゲーム【第5版】
・株式:4.5%
・債券:1.5%
つまり、もしあなたが前提としている株式の実質リターンが年間10%なら、それは明らかな間違いということになる。
「敗者のゲーム」では利回り10%を想定するのは高すぎると否定しています。
しかし、投資本のベストセラーである「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、株式市場の歴史を振り返ると利回り10%は不可能ではないと示されています。
S&P500指数のような、広く分散された株式ポートフォリオに投資していた場合には、1950年から2009年までの期間を通じて年平均約10%という高いリターンを上げることができたのである。
引用:ウォール街のランダム・ウォーカー【第10版】
インデックス投資で平均利回り10%を実現できれば、文句のない成績だと言えるでしょう。
厳密にいうと、インデックス投資は資産配分によって平均利回りが変わってくるので、平均利回りを断言することは難しいのです。
そのため、最低ラインである平均利回り4%を想定して資産運用をするのがいいと思います。
インデックス投資の利回りから将来の資産を予想
これからインデックス投資を始める人は、どれだけお金を増やすことができるのか気になると思います。
インデックス投資の平均利回りを4%と想定して、いくつか資産運用例を紹介します(計算ツールには金融庁HPの資産運用シュミレーションを使用)
毎月の積立金額:1万円
積立投資期間:20年
平均利回り4%だと想定して、毎月1万円のインデックス投資を20年間継続すると、最終投資金額は366万7746円となります。
投資元本は240万円、運用利益は約126万円です。
毎月の積立金額:3万円
積立投資期間:20年
平均利回り4%だと想定して、毎月3万円のインデックス投資を20年間継続すると、最終投資金額は1100万3239円となります。
投資元本は720万円、運用利益は約380万円です。
毎月の積立金額:5万円
積立投資期間:20年
平均利回り4%だと想定して、毎月5万円のインデックス投資を20年間継続すると、最終積立金額は1833万8731円となります。
投資元本は1200万円、運用利益は約633万円です。
【まとめ】
インデックス投資の平均利回りを4%としたときの、積立投資金額と投資期間別の最終到達資産を簡単にまとめてみました。
10年 | 20年 | 30年 | |
毎月1万 | 147万 | 366万 | 694万 |
毎月2万 | 294万 | 733万 | 1388万 |
毎月3万 | 441万 | 1100万 | 2082万 |
毎月4万 | 588万 | 1467万 | 2776万 |
毎月5万 | 736万 | 1833万 | 3470万 |
毎月6万 | 883万 | 2200万 | 4164万 |
毎月7万 | 1030万 | 2567万 | 4858万 |
毎月8万 | 1177万 | 2934万 | 5552万 |
毎月9万 | 1325万 | 3300万 | 6246万 |
毎月15万 | 2208万 | 5501万 | 1億410万 |
上記の例を見てわかる通り、インデックス投資の平均利回り4%でも、それなりの資産をつくることができます。
ただ、インデックス投資の弱点は「それなりの資産しかつくれない」ことです。
インデックス投資の平均利回りを4%と想定したとき、1億円の資産をつくるためには毎月15万円の投資を30年間継続しないといけません。
インデックス投資の利回りは良いほうである
インデックス投資の平均利回りが4%~10%だと聞いて、満足できないと感じた投資家はいるでしょう。
投資家として高い利回りを求める気持ちはわかります。
しかし、平均利回り4%は資産運用としては良いほうだと思います。
今の時代は大手銀行の定期預金の金利が0.01%なので、貯金だけの人と比べてインデックス投資家は400倍のスピードでお金を増やせているのです。
また、インデックス投資はこれまでのパフォーマンスが素晴らしいと思います。
プロの運用する株式ファンドの長期的な運用成績を調べてみたところ、その3分の2以上はS&P500インデックスファンドよりも見劣りする。
引用:ウォール街のランダム・ウォーカー【第10版】
個人投資家が個別株でプロに勝つことは難しいですが、インデックスファンドを利用すれば話は別です。
リハビリ職として週5勤務している私が、プロ投資家に勝つためにはインデックス投資しかないと思っています。
「個別株で利回り4%以上」は数か月~1年なら続くでしょうが、20~30年の長期間では利回りを維持できないと思います。
株式投資で利回り20~30%は簡単じゃない
世界中の投資家が憧れている「ウォーレン・バフェット」は株式投資によって莫大な資産を築きました。
【ウォーレン・バフェット】
引用:バフェットとソロス 勝利の投資学
・1956年にバフェットが投資した1000ドルの現在価値は2527万9750ドル(2002年12月末)
・年間複利収益率は24.7%
世界長者番付の上位にランクインしているウォーレン・バフェットは、平均利回り24.7%という桁外れの成績を残しています。
利回り20%がどれだけ凄いのかというと
- 100万円を利回り20%で30年間運用すると約2億3737万円になります
- 500万円を利回り20%で30年間運用すると約11億8688万円になります
つまり、利回り20%が実現できれば、億万長者になることは難しくありません。
しかし、あなたに利回り20%の資産運用ができるでしょうか?
世界一の投資家ウォーレン・バフェットが利回り24.7%であるのに、普通のサラリーマンが利回り20%を実現できる根拠はありません。
バフェットの投資を真似できる自信があるのなら、全財産を集中投資してもいいでしょう。
私のスキルでは利回り20%の投資を維持することは無理なので、インデックス投資の利回り4%を信じてコツコツと投資を続けます。
まとめ
インデックス投資の利回りは4%~10%に想定しておくと健全な資産運用ができると思います。
株式投資において、自分の知識・技術以上の欲を出しても失敗に終わるだけです。
株式投資で「一発逆転」を狙いたくなる気持ちはわかります。
しかし、投資初心者がプロ投資家に勝つためにはインデックス投資がいちばん無難です。
「インデックス投資は儲からない」のウソ・ホントでも書いていますが、インデックス投資は平均点を取ることができる素晴らしい投資方法なのです。
▼インデックス投資の運用ガイド▼
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