このページでは敗者のゲームのレビューを紹介します。
敗者のゲームはウォール街のランダム・ウォーカーとならぶ投資のバイブルであり、100万部以上のベストセラーです。
敗者のゲームが売れるのには理由があり、ベストセラーは飾りではありません。
敗者のゲームは投資初心者に負けない魔法を与えてくれる本です。
インデックス投資家に長く読まれているのも納得の良書なのでぜひご覧ください。
関連記事:【死ぬまでに読むべき本】あした死ぬかもよ?人生最後の日に笑って死ねる27の質問の要約レビュー
敗者のゲームはインデックス投資家の志を支える1冊
敗者のゲームを一言でいうと、投資家の不安な心と投資の志を支えてくれる一冊です。
敗者のゲームではインデックスファンドへの投資を推奨しており、プロの投資家と株式相場の特性を述べたうえでインデックス投資の長所を解説しています。
また、運用期間の長さが重要なこと、インフレの影響、投資リスクへの理解、分散投資、運用基本方針など、資産運用の大切なポイントもまとめられています。
運用基本方針の章では、方針を考えるうえで重要な項目が挙げられているので、実際に自分で考えてみるのもいいでしょう。
そして、暴落相場の例としてはリーマン・ショックが取り上げられており、金融危機の実際と対応について投資家への助言が含まれています。
暴落相場を知らない、経験したことのない投資家には有益な内容です。
さらに、敗者のゲームでは人生の終盤での投資についても教えてくれます。
資産はどう残すのか、資産をどう使うのか。
敗者のゲームは生涯を通じた投資について考えるきっかけを与えてくれます。
敗者のゲームを読むうえでの注意点
ここでは敗者のゲームを読むうえでの注意点を紹介します。
私が気になった程度のことで本のクオリティーに影響するものではありません。
敗者のゲームがインデックス投資のバイブルであることに変わりはないです。
翻訳書ならでは言い回し
敗者のゲームは外国書「Wining the Loser’s Game」の翻訳版なので、カタカナの人名や日本にはない制度など、読み慣れない言い回しが出てきます。
例えば、本文中に出てくる個人退職貯蓄制度(IRA)は、アメリカの個人年金制度のひとつであり、日本にはありません。
また、確定拠出型年金は401(k)プランと表記されています。
確定拠出型年金は個人が運用する年金制度であり、日本では「iDeCo」と呼ばれています。
同じ制度であっても表記が違うので注意が必要です。
人名は外国の著名人が多数出てくるので、理解するには調べながら読み進める必要があります。
一般人には現実味がない内容
本書の後半部分に資産の活かし方と資産管理のアドバイスについて書かれています。
内容はとても参考になるものです。
ただ、実際に読んでみて、そこまで難しく考えなくても大丈夫だと思いました。
著者は資産の活かし方について「引退後の生活資金」「愛する者への遺産」「社会へのお返し」の3つを挙げています。
これを見て思ったのが、私のような弱小投資家は子供へ遺産を遺すとか、社会に貢献するとか思ったことがありません。
10億、20億、100億の資産を築くことができるなら話は別ですが私の資産目標は6000万円です。
資産6000万円は自分が死ぬまでに使い切ろうと思っているので、遺産相続とか、社会貢献とか、深く考えてないです。
現実味のない内容については参考程度するべきでしょう。
関連記事:【100年時代を生き抜く術が記された1冊】LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略の要約レビュー
敗者のゲームは初心者におすすめできる一冊
総合的にみて、敗者のゲームは文句なくおすすめです。
投資初心者の投資人生を支えてくれる一冊であり、ぜひ手元に置いておきたいところ。
インデックス投資の実践を簡潔に解説し、運用基本方針の重要性を説くことで、投資家の資産形成を手助けしてくれる本だと思います。
以下より、私が強くおすすめする理由を紹介します。
インデック投資の手引き
敗者のゲームはインデックス投資の手引きとして広く情報がカバーされています。
プロ投資家の成績や個人投資家が市場に勝つ難しさを述べたうえで、インデックス投資の魅力が語られており、投資初心者も納得して投資が始められるでしょう。
- 時間が運用に与える影響
- 分散投資の効果
- 投資リスク
- 投資信託の選び方
インデックス投資の重要な部分は網羅しているので、投資初心者は必読の内容となっています。
また、債券投資やインフレについても書かれているので、投資家のリスクオフを促してくれるでしょう。
敗者のゲームは投資の手引きとして大活躍するはずです。
運用基本方針の重要性
敗者のゲームが有益なのは投資家に運用基本方針の考え方を教えてくれることです。
運用基本方針が重要な理由を説明し、運用基本方針策定のポイントを具体的に挙げて解説しています。
投資を始める前に目を通して、自分で考えてみるといいでしょう。
初めから完璧な運用基本方針をつくれるわけがありません。
考えて、見直して、試行錯誤することによって、自分の運用基本方針がつくられていくのです。
敗者のゲームはその一助になります。
長期方針を短期データや不安に駆られた攻撃から守る盾は、自分自身と自分の投資目的を十分に理解することである。だからこそ投資戦略は明文化されなければならない。周りがパニックに陥ると、自分も冷静な判断を失いやすい。自分だけが冷静でいられるなどとは思わないほうがよい。あなただって人間だ。
敗者のゲーム【第5版】
生涯を考えた投資プラン
敗者のゲームは投資を長期に想定して、生涯と関連づけて解説してあるので参考になります。
「株式へ配分する比率は100から年齢を引いた数字」という助言は、必ず当てはまるわけではないと書かれています。
重要なのはインフレを考慮したうえで、リスクとリターン、必要支出額、税金、運用期間を考えて運用方針を決めることです。
自分にとって適切な運用方針を決めてしまえば、途中で運用方針を変更する必要は基本的にありません。
自分にとって適切な運用方針を続けるだけ。
ただ、投資初心者にはインフレ、必要支出額、税金までを考慮して運用方針を考えるのは難しいかもしれません。
そこまで考える必要はないかもしれませんが、考え方として知っておくことは大切です。
自分の理想、資産、収入、負債、責任、リスク許容度、目標について整理することで、一人一人の投資プランができるのです。
敗者のゲームという名言
「投資とは敗者のゲームである」
敗者のゲームがベストセラーになるまで売れたのはタイトルのインパクトもあるでしょう。
本文のなかで、株式投資をテニスの試合に例えて説明しています。
簡単にいうと、「アマチュアのテニスは勝者の見事なスマッシュではなく、ミスによって勝敗が決まり、株式投資もまさにそうである」という内容です。
株式投資は敗者の自滅(ミス)が勝負を決める「敗者のゲーム」であり、ミスを減らすことがとても重要なのです。
「投資で勝ちたい!!」と会心の一撃で勝負を決めることができるのは一部の投資家だけ。
ほとんどの投資家はミスを減らして、敗者のゲームに尽力するべきなのです。
市場を上回るという「敗者のゲーム」に勝つことは簡単である。そんなゲームに参加しないことだ。市場の現実を踏まえ、自らの投資目的達成のため、適切な運用方針を策定・堅持するという勝者のゲームに集中することだ。
敗者のゲーム【第5版】
敗者のゲームとの出会い
私が敗者のゲームを知ったのはウォール街のランダム・ウォーカーという投資本がきっかけでした。
ウォール街のランダム・ウォーカーはインデックス投資のバイブルとして有名な本です。
関連記事:【要約】ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
ウォール街のランダム・ウォーカーの本文で敗者のゲームが取り上げられていました。
長年株式市場を観察し、「敗者のゲーム」という素晴らしい投資の教科書を著したチャールズ・エリスは、アマチュアのテニス・ゲームは勝者の見事なスマッシュによってではなく、敗者が自滅することによって勝敗が決まるのだと喝破している。
ウォール街のランダム・ウォーカー【第10版】
気になった私は敗者のゲームをすぐに調べました。
すると、インデックス投資について書かれた全米累計100万部を超えるロングセラーであることがわかったのです。
「敗者のゲームを読むしかない!」と思いましたし、個人的に読まない理由はありません。
ウォール街のランダム・ウォーカーと比べると、敗者のゲームは内容がインデックス投資中心にまとめられているので必見です。
関連記事:【日本版インデックス投資のバイブル】お金は寝かせて増やしなさいの要約レビュー
まとめ
敗者のゲームは投資初心者にも読みやすい本なので一度は目を通して欲しいです。
敗者のゲームを手元にもっておくことで言い表せない安心感があります。
定期的に読み返すことでインデックス投資家に安心を与えてくれます。
長く投資を続けていくと、いくつかの暴落相場を経験するでしょう。
そのとき、敗者のゲームを読み返すことで暴落相場から脱落せずに乗り切ることができるはず。
インデックス投資家として、敗者のゲームを多くの人の読んでいただきたいです。
コメント