【要約】LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略

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LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略の要約レビュー絶対に読むべき本棚

このページではLIFE SHIFT 100年時代の人生戦略のレビューを紹介します。

本書は人生100年時代において「どうすれば長寿化の恩恵を最大限に受けられるか」を解説しています。

長生きするようになった人間はどのように生きるべきか。

今までどおりの生き方で長寿化時代を乗り越えることができるのか。

新しい時代を生き抜くための方法が書いてあります。

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人生100年時代の人生戦略を考える

本書では長寿化時代を以下のように書いています。

長寿化により、老いて衰えて生きる年数が長くなるわけではない。長く生きられるようになった年月の大半を、私たちは健康に生きることになる。若々しく生きる年数が長くなるのである。

本書は「老後をどのように過ごすか」といった単純な内容ではなく、長寿化時代における人生設計・新しい生き方を示してくれるものです。

人生が短かった時代では「教育→仕事→引退」という3ステージに問題はありませんでした。

しかし、長寿化時代では引退生活を送るための資金を確保できないという問題が生じるのです。

そのため、多くの人は働く年数を長くするか、少ない老後資金で妥協するかの選択を強いられます。

ほとんどの人の引退年齢が70~80歳になり、多くの人は今までより長く働くことになるでしょう。

それに加えて、雇用環境の変化、資産の変化、スキルの変化、人間関係の変化など、さまざまな影響が考えられ、100年時代を豊かに生き抜くことは簡単とは言えません。

本書では100年時代に考えられる変化が詳しく解説されています。

特に現在20代の若者は80年以上生きることが予想されるので、本書を熟読して新しい生き方を学んでおくべきです。

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新しい時代の働き方

本書では人生100年時代において、同世代の人たちが同じようなキャリア選択を行うという常識が薄れていくと書かれています。

同世代が同時期に大学に進み、同時期に就職し、同時期に子供をつくり、同時期に仕事を退く。隊列を乱さずに一斉行進する集団さながらの画一的な生き方は時代遅れになるだろう。

これからの時代は人々がさまざまな選択をするようになるのです。

  • エクスプローラー(選択肢を狭めずに幅広いキャリアを検討する)
  • インディペンデント・プロデューサー(自由と柔軟性を重視して小さなビジネスを起こす)
  • ポートフォリオ・ワーカー(さまざまな仕事や活動に同時並行で関わる)

過去の日本では上記のようなキャリア選択が認められていませんでした。

日本の若者は安定志向が強く、公務員や大企業への就職を目指すことが多い。

インディペンデント・プロデューサーを目指す人は少なく、ビジネスを応援する政府の政策は乏しい。

エクスプローラーとしてさまざまな探索・経験をして、幅広いキャリアの選択をすることは賢明ではなく、卒業後はすぐに就職する若者が多い。

本書では保守的な生き方に注意喚起しており、これからは変化に飛び込む生き方が重要と書かれています。

簡単にまとめると以下のとおり。

30歳未満の人は幅広いキャリアの選択を検討し、世界について学び、人的ネットワークを広げる。

40~50代の人は現在のスキルで満足せず、新しいスキルの獲得を目指して、長寿化時代の新しい生き方に備える。

60歳以上の人は高齢になるまで働くことを想像して、さまざまな仕事や地域活動に同時並行で関わる。

保守的な日本人が変化に飛び込んでいくのは難しいかもしれないが、本書を読むと新しいことにチャレンジする大切さがわかります。

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100年時代における雇用環境の変化

本書は将来の雇用について面白い見識をしてしてくれます。

仕事の未来は大きな変化が予想されているので、長寿化時代を生きる人は早い段階からキャリアを考えておかなくてはいけません。

人間にしかできないこと

現時点では、ある種の人間固有の能力はロボット・AIによって代替できないと言われています。

  • 複雑な問題解決に関わる能力
  • 対人関係と状況適応の能力

複雑な問題解決というのはイノベーションであり、計画・実行・評価・改善のサイクルをまわすことです。

AI・ロボットは製造・組み立てを真似することはできますが、WindowsやiPhoneの発明を真似することはできません。

また、ロボット・AIは人間の複雑な感情を理解することが難しく、表出されている言葉と真意のギャップをうまく捉えられません。

真の意味での気遣いやおもてなしは人間でないと再現できないのです。

ロボットが人手不足を補う

人口減少とベビーブーム世代の引退によって、低スキル職を中心に何百万人もの人手不足が生じると言われています。

また、高スキル職についても、労働力が足りないための需要が大きくなるとのこと。

最大約1億3000万人に達していた日本の人口は、2060年には8700万人に減るという予測があり、将来的な人手不足は避けられません。

ロボットに雇用を奪われることよりも、ロボットが労働力人口の減少を補い、生産性と生活水準を保ってくれることを歓迎すべきだろう。

テクノロジーが新しい雇用を生む

テクノロジーの進歩は雇用を奪うだけでなく、生産性を高めて新しい雇用を生むのです。

ロボット・AIによって生産性が高まる

製造コストが下がり、企業は値下げや投資ができる

新しい製品の発明や値下げによって需要が高まる

需要の増加に応えるため従業員の数を増やす

経済学的にみると、上記のような流れで雇用が増えるとのことです。

さらに、テクノロジーの発明が新しい雇用を生む可能性もあります。

Uber Eats(ウーバーイーツ)の登場によって、個人で配達業をできるようになりました。

Facebook・Twitter・InstagramといったSNSの登場によって、個人で広告業をできるようになりました。

イノベーションの発明は新しい経済価値を生み出し、その経済価値でお金を稼いで生活していくことは可能なのです。

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新しいライフステージを考える

本書では「教育→仕事→引退」というライフステージに起こる金銭的問題が具体的に書かれています。

  • ジャック(1945年生まれ)
  • ジミー(1971年生まれ)
  • ジェーン(1998年生まれ)

上記の架空人物を例に挙げて、「どれくらいの貯蓄率が必要か」「どれくらいの老後生活資金が確保できるか」「どれくらいの勤労期間が必要か」を示しています。

架空人物のライフステージを自分に当てはめて読み進められるので面白いです。

本書では詳しい解説とともに具体的な数字が示されているのでぜひご覧ください。

内容を簡単にまとめると以下のとおり。

【ジャック(1945年生まれ)】
平均寿命は70歳前後であり、引退期間が短いため老後資金は少なくて済む。年金制度がしっかりしているため貯蓄は少なくても大丈夫。

【ジミー(1971年生まれ)】
平均寿命は85歳であり、引退期間が20年と長いため十分な老後資金が必要。公的年金・企業年金の支援が薄くなるため多くの貯蓄が必要。老後資金の不足が予想されるので、働く年数を長くするか、生活費を節約するかの選択が問われる。

【ジェーン(1998年生まれ)】
100年以上を生きる可能性が高く、引退期間は35年と長いため老後資金の確保が困難。年金制度の不安はさらに強まり、両親の財産も期待できないので貯蓄は間に合わない。働く年数を長くして、なおかつ生活費を節約することが求められる。

私は本書を読んで新しいライフステージについて考えたとき、将来が不安になってしまいました。

ただ、本書ではライフステージの変化を素晴らしいものだと書かれています。

こうした変化は素晴らしいことだと、著者たちは考えている。本書は、3ステージを前提とした働き方を葬り去り、新しい人生の設計を提案することを目的としている。それにより、長寿が大きな恩恵となり、人々が活力と創造性と楽しみのある人生を送れるようにしたい。

本書を読み終えると「長寿は悪いことばかりではない」「変化は楽しむことができる」と思うことができるはずです。

お金に換算できない資産が価値をもつ

本書では長く生産的な人生を送るために、お金に換算できない資産が重要であると書かれています。

お金に換算できない資産は大きく分けて3つあります。

  • 生産性資産(人が仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素)
  • 活力資産(肉体的・精神的な健康と幸福を形づくる要素)
  • 変身資産(変化を経験して、変身を遂げるのに役立つ要素)

本書ではそれぞれの資産について「資産の価値」「資産を充実させる方法」「資産の活用法」が紹介されています。

人生100年時代において、お金に換算できない資産をどのように有効活用するかで、長い人生を豊かに生きられるか決まります。

長く働くことを覚悟して、新しいスキル・知識の獲得に励む。

健康のために運動・食生活・趣味嗜好に気を配る。

起業するために知識や人脈を築く。

お金に換算できない資産を積み上げることで、キャリアを成功させて健康に恵まれた人生を送ることができるのです。

100年時代の人生戦略の第一歩

100年時代を生き抜くためには、本書にある「新しい時間の使い方」を実践するべきです。

娯楽のためだけに時間を使うのではなく、再創造のために時間を使いましょう。

家族や友人と過ごす時間と取って良好な人間関係を築く。

教育とスキルの再習得にかける時間を取って自分の価値を高める。

健康管理する時間を取って心身と整える。

人生100年時代ではお金に換算できない資産に時間を使うことが重要となります。

誰もが1日24時間ずつ与えられており、時間の使い方を決めるのは自分自身です。

すべての人が持っている時間は平等ですが、使い方によって人生に大きな差が生まれます。

とにかく働いて時間をお金に換えるのか?

講座に通って時間をスキルに換えるのか?

ソファに寝転がってスマホを見て過ごすのか?

100年時代の人生戦略の第一歩は本書を読んで時間の使い方を見直すことです。

まとめ

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略が伝えたいことは以下のとおり。

  • 長寿時代において「教育-仕事-引退」といった過去のライフステージは通用しない
  • 長い人生を豊かにするためにはお金に換算できない資産が重要である
  • 100年時代のために時間の使い方を見直す

他にも、雇用環境の変化、人間関係の変化、新しいお金の考え方など、面白いテーマがあったのですが、すべてを紹介するとネタバレになるので控えます。

私は本書を読むことで、これからの人生を強く生きる決意ができました。

社会がどのように変わろうと、最終的には個人の変化が求められます。

人生の設計と時間の使い方を根本から見直すことで長寿の恩恵を受けることができるのです。

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