作業療法士の国家試験に落ちたときの手引き

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作業療法士の国家試験に落ちたときの手引き理学療法士・作業療法士

このページでは作業療法士の国家試験に落ちたときの手引きを解説します。

大学を卒業したのに作業療法士の国家試験に落ちて、思い悩んでいる学生は多いと思います。

国家試験に合格しないと作業療法士として働くことはできません。

再び勉強して作業療法士を目指すのか、作業療法士を諦めて違う道を目指すのか、国家試験に落ちたことで色々な考えが頭をめぐると思います。

作業療法士の国家試験に落ちたらどうすればいいのか?

現役OTが作業療法士の国家試験に落ちた知り合いから聞いた話をまとめています。

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作業療法士の国家試験の合格率

作業療法士の合格率をみると、国家試験の厳しさがわかります。

出願者数受験者数合格者数合格率
理学療法士13253126051080985.8%
 (うち新卒者)1118310608984592.8%
作業療法士65556358453171.3%
 (うち新卒者)52895137410880.0%

引用:厚生労働省HP(第54回理学療法士国家試験及び第54回作業療法士国家試験の合格発表について)

作業療法士の合格率は70%台であり、理学療法士と比べて厳しい現状です。

国が作業療法士の有資格者を制限する目的で国家試験の問題を難しくしているという話も聞きます。

また、新卒者の合格率より全体の合格率のほうが低くなっています。

つまり、浪人者の合格率は新卒者より低いということです。

作業療法士の国家試験にかぎらず、大学の受験でも浪人生の合格率は低い傾向にあるので、ある意味では仕方がありません。

作業療法士の国家試験に落ちる人は毎年1000~2000人くらいです。

「作業療法士の国家試験に落ちた」と思い悩んでいる人はたくさんいます。

関連記事:作業療法士の平均給料と20代OTの手取り月給を公開

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作業療法士の国家試験に落ちても人生終わりではない

作業療法士の国家試験に落ちて、心の底から落ち込んでいる人はいるはずです。

「自分は本当にバカだ」
「家族に迷惑をかけて申し訳ない」
「友人・大学の先生に顔向けできない」

大学を頑張って卒業して、もう一歩で作業療法士になれたのですから、落ち込んでしまう気持ちはわかります。

しかし、作業療法士の国家試験に落ちたからといって、あなたの人生が終わるわけではありません。

「国家試験不合格=人生の負け組」では絶対にないです。

国家試験に落ちてもやり直しはできますし、1年間を有意義に過ごすことで人間として成長できるはず。

「国家試験に一発合格」は一般的なレールであって、あなたの人生を豊かにするレールではありません。

人生を豊かにするのは、作業療法士の国家試験ではなく、あなたの考え方・選択なのです。

また、作業療法士の国家試験に落ちたからといって、合格する確率がゼロになったわけではありません。

必死に勉強すれば作業療法士の国家試験は合格できます。

必死に努力している姿は、家族・友人・先生の心に届くでしょうし、周りの人は応援してくれると思います。

「作業療法士の国家試験に落ちた」と落ち込み続けるのではなく、気持ちを入れかえて前進していきましょう。

関連記事:作業療法士は何歳まで働けるのか?定年まで働けない理由とは

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作業療法士の国家試験に落ちたときの手引き

私が考える「作業療法士の国家試験に落ちたときの手引き」を紹介します。

「作業療法士の国家試験に落ちたらどうすればいいの?」という疑問に対する答えです。

100%の正解ではありませんが、国家試験に落ちた知り合いの話を聞いて、私が感じたことをまとめています。

内定をもらっていた就職先に連絡する

最初にすることは国家試験の合否を就職先に連絡することです。

合格だった場合でも、不合格だった場合でも、内定をもらっていた就職先には連絡してください。

就職先への連絡については、国家試験の合格発表前に養成校から説明があると思います。

もしくは、就職先から「国家試験の合否は必ず連絡してください」と念を押されることもあります。

新卒社員を受け入れる準備があるので、就職先にはすぐに連絡するべきです。

養成校の進路担当の先生に連絡する

国家試験に落ちたことを養成校の進路担当の先生に連絡します。

進路担当の先生がいなければ、ゼミの先生でもいいので誰かに相談してください。

  • 今後についての相談
  • 就職先への対応

今後について相談しながら、内定をもらっていた就職先への対応について助言を受けると安心です。

国家試験に落ちた学生が内定先でリハビリ助手として働くケースもあるので、今後の身の振り方についてアドバイスを求めてもいいでしょう。

作業療法士の国家試験に再び挑む

作業療法士の国家試験に落ちたら、1年間かけて勉強し直して、作業療法士の国家試験を再受験するのがいいと思います。

なぜかというと、大学進学が無駄になるからです。

  • 大学の学費
  • 作業療法士の専門書
  • 大学での勉強
  • 実習やレポート

作業療法士の資格を取るための犠牲はたくさんあるので、国家資格をあと一歩のところで諦めたらもったいないと思います。

あなたが作業療法士になりたくないと思っていても、作業療法士の資格は取っておくべきです。

国家資格にはそれなりの価値があります。

作業療法士の資格を取ってから別の仕事をしてもいいので、「あと国家試験だけ」という状況なら再受験したほうがいいと思います。

1年間の過ごし方を計画する

作業療法士の国家試験を再受験すると決めたら、まずは1年間の過ごし方を考えましょう。

  • 基本的な1日の勉強計画
  • 1年間の行動計画

1日と1年間の過ごし方をそれぞれ考えるのがおすすめです。

まずは1日の勉強計画として、大まかなスケジュールを考えましょう。

【1日の勉強計画】
7時:起床
9時:勉強
12時:昼食
13時:自由時間
16時:勉強
19時:夕食
20時:自由時間
22時:勉強
24時:就寝

規則正しい生活は当たり前として、大まかな時間割を考えます。

あくまで、大まかな時間割なので、追加で勉強してもいいし、気分転換に外出してもいいし、友達と遊んでもいいし、途中で変更するのは問題ありません。

目的は「勉強」と「他の時間」のメリハリをつけることで、何も考えずにダラダラと1日を過ごすのは危険です。

「集中して勉強する時間」と「リラックスする時間」を分けることで1年間を戦い切ることができます。

次に1年間の行動指針を考えましょう。

【1年間の行動指針】
4月:勉強とバイト生活に慣れる
5月:勉強の習慣を身につける
6月:興味のある論文を読む
7月:福祉住環境コーディネーター取得
8月:好きな場所に行く
9月:勉強の状況確認
10月:旅行する
11月:勉強脳に切り替え
12月:とにかく勉強
1月:勉強追い込み
2月:作業療法士国家試験

具体的でもいいし、大まかでもいいので、1年間のやることリストを作成します。

1年間という時間は膨大なので無駄に過ごしてしまいがちですが、価値観・知識を広げるために「挑戦」をするべきです。

1年間という時間があれば、勉強漬けでなくても作業療法士の国家試験に合格できると私は思っています。

芸術、スポーツ、海外旅行、物づくりなど、成長のため色々なことに挑戦するべきでしょう。

作業療法士の国家試験の勉強法

国家試験には「国家試験の勉強法」があります。

大学で使った専門書を中心に国家試験勉強をするのはNGです。

作業療法士の国家試験に合格したいなら、過去問題集を中心に勉強しましょう。

作業療法士の国家試験問題をみるとわかりますが、問題形式・出題傾向に特徴があって似通った問題や考え方の似ている問題が多いのです。

作業療法士の国家試験に合格したいなら、取れるところは絶対に点数を取ることが大切です。

過去問と似ている箇所は絶対に落とさないよう、5年分の過去問題をやり切るようにしてください。

  • 5年分の過去問題を解く
  • 答えだけを覚えるのではなく、解説(なぜその答えなのか)も把握しておく

ちなみにですが、私は国家試験対策として過去問だけしか勉強していません。

クエスチョンバンクのみで作業療法士の国家試験に挑み現役で合格しました。

時間があるなら専門書を併用してもいいと思います。

過去問題を2~3周やり切ってから、苦手な分野を専門書で掘り下げて勉強していけるとさらに良いでしょう。

私の経験から言うと、作業療法士の国家試験の勉強はクエスチョンバンクのみで十分です。

モチベーションを維持するのが難しい

作業療法士浪人の合格率が新卒者より低いのは、1年間のモチベーションが維持できないからだと思います。

大学受験でもそうですが、現役高校生は集中して勉強に取り組みますが、浪人生はダラダラと時間を使ってしまいがちです。

時間があり過ぎると人間は怠けてしまう傾向にあります。

作業療法士浪人生は1年間を戦い抜くために仲間を見つけましょう。

  • 浪人仲間と一緒に勉強する
  • 現役生の勉強グループに入れてもらう

孤独に勉強するのではなく、仲間と切磋琢磨することで作業療法士国家試験の合格が近づくでしょう。

作業療法士を目指して必死に勉強する

作業療法士になりたいなら、とにかく勉強するしかありません。

1年間を勉強漬けにする必要はありませんが、基本となる行動は「勉強」です。

再受験までの1年間において、価値観を広げたり、色々な挑戦したり、さまざまな経験したりすることは有意義です。

ただ、「作業療法士を目指して必死に勉強する」ことを忘れてはいけません。

現役の作業療法士、新卒の作業療法士は仕事があるので勉強時間を確保できないでしょう。

あなたは1年間かけて他の作業療法士と差をつけることができるので、貴重な時間を無駄にしないことです。

関連記事:作業療法士を辞めた同期の転職理由におどろいた

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あなたには選択する自由がある

作業療法士の国家試験に落ちたら、再受験を考えたほうがいいとは思います。

しかし、再受験が100%の正解ではありません。

あなたの人生なので、あなたが選択して、あなたの自由にするのが正解です。

  • 一般企業に就職する
  • 他の職種を勉強する
  • バイトをしながら将来を考える
  • 世界を旅行する

この世に無駄な経験はないと思います。

結果的に「こうすれば良かったな」と後悔することはあるでしょうが、まわり道があなたの人生を豊かにするのです。

まわり道をしないと、たどり着けない場所もあるはずです。

いろいろな経験をすることは、あなたの未来に活かすことができるでしょう。

自分が考えて、自分の人生を選択してください。

関連記事:【作業療法士の残業について】リハビリ業界の裏側を語る

まとめ

私は作業療法士の国家試験を現役で合格しました。

私が作業療法士の国家試験に落ちていたら、1年間かけて勉強して再受験しているでしょう。

しかし、人生はいろいろです。

私の知り合いは国家試験に2回落ちましたが、今では病院でバリバリ働いています。

なかには、作業療法士国家試験を諦めて、一般企業に就職している友達もいます。

作業療法士の資格を取ったけど、福祉用具業者に転職した友達もいるのです。

あなたの人生は長いので、国家試験に落ちたと落ち込まず、のんびりとやっていきましょう。

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