作業療法士は何歳まで働けるのか?定年まで働けない理由とは

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作業療法士は何歳まで働けるのか?定年まで働けない理由とは理学療法士・作業療法士

このページでは作業療法士が定年まで働けない理由を紹介します。

私は現役の作業療法士です。

現役の作業療法士である私は定年まで作業療法士として働きたくありません。

厳密にいうと、病院の60代正社員として、単位(ノルマ)に追われながらリハビリ業務を続けたくないです。

「作業療法士は何歳まで働けるのか?」という疑問に現役OTが答えます。

作業療法士にかぎらず、理学療法士の境遇も似ているはずです。

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作業療法士の将来が不安だから定年まで働けない

私は作業療法士の将来に不安を感じているので、定年まで働くのは難しいと思っています。

私が感じている不安は3つです。

  • 作業療法士の給料が上がらない
  • 作業療法士が淘汰される
  • 作業療法士のリストラ

作業療法士の将来について真剣に考えている作業療法士はどれだけいるでしょうか。

以下より、作業療法士として定年まで働けない理由を紹介します。

給料が上がらない

今後、作業療法士の給料相場が上がっていくことはないと思います。

なぜなら、高齢化による社会保障費の増加によって、国は診療・介護報酬の削減を強めていくと予想できるからです。

診療・介護報酬が削減されると、作業療法士がリハビリをして稼げる金額は少なくなります。

診療・介護報酬の減額によって病院・施設の経営は厳しくなるので、稼げなくなった作業療法士の給料カットを考えるでしょう。

作業療法士の給料相場が下がっていくことは生活や将来に大きな影響となるので、定年まで安心して働けると断言できません。

作業療法士が淘汰される

養成校の乱立により、作業療法士有資格者は急増しています。

そして、作業療法士が増えるのと同時に高齢者の数は減っていきます。

高齢者の数が減少に向かうのはまだ先ですが、高齢化と少子化を伴って日本人口が減っていくのは間違いありません。

作業療法士の仕事相手は人間ですから人口の減少は死活問題です。

作業療法士は増加しているのに仕事相手が減ってしまったら、次第に人手は余っていき作業療法士が供給過多となる時代がくるでしょう。

知識・技術のある作業療法士が生き残り、ダメな作業療法士は消えていく。

作業療法士にとって厳しい将来が訪れるのに定年まで安心して働けるわけがない。

作業療法士のリストラ

医療・介護保険の崩壊によって、病院・施設の経営は苦しくなっていきます。

病院・施設はコスト削減のために給料の高いベテラン・中堅の作業療法士を解雇して、給料の安い新人作業療法士を積極的に雇うかもしれません。

作業療法士の増加と高齢者の減少によって作業療法士は淘汰されていくでしょう。

作業療法士として定年まで働くには、自分の価値を高めておく必要があります。

自分にしかない知識・技術を身につけて、病院・施設にとって必要な人間になるしかないです。

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作業療法士の老後が心配だから定年まで働けない

自分の老後を考えたとき、作業療法士として定年まで働きたくないと思いました。

定年まで働きたくない理由は以下のとおり。

  • 給料が低い
  • 身体的に疲れる

「甘いことを言うな!」と批判を浴びそうですが、個人の見解なのでご了承ください。

給料が低い

私は作業療法士の給料を低いと思っています。

そして、作業療法士の低い給料は老後の不安定につながると思っています。

老後の安定は働いている間に稼いだお金で決まると言っても過言ではありません。

作業療法士として定年まで働くより、途中から高給職に転職したほうが良い老後を送れるかもしれないのです。

関連記事:20代作業療法士の給料明細をリアル公開

身体的に疲れる

私は病院で作業療法士として働いていますが、リハビリ業務は身体に疲れがたまります。

仕事が終わった後の身体的疲労は強く、肩や背中は凝り固まっています。

20代OTが泣き言をいうと怒られますが、学生のころと比べると疲れやすさを感じるのです。

定年まで作業療法士の仕事を続けると思うとゾッとします。

正直いうと、60代になっても現場で働いている作業療法士は想像ができません。

そして、作業療法士の仕事を数年続けた私に芽生えたのが「60代まで病棟リハビリとして週40時間も働きたくない」という気持ちです。

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作業療法士としてキャリアアップすれば何歳まで働けるのか

作業療法士としてキャリアアップに成功すれば、ネガティブポイントを吹き飛ばすことできます。

定年まで働きたいなら自己研磨しかありません。

以下より、私が想像できる範囲の作業療法士キャリアアップを紹介します。

認定・専門作業療法士

作業療法士であれば、認定作業療法士・専門作業療法士を聞いたことがあると思います。

日本作業療法士協会作成の作業療法ガイドライン実践指針(2013年度版)より引用します。

認定作業療法士とは、教育、研究、管理運営および臨床実践において、一定水準以上の能力をもつ作業療法士。日本作業療法士協会によって2004年度に創設された認定作業療法士制度によって認定される。

専門作業療法士とは、認定作業療法士である者のうち、特定の専門分野において高度かつ専門的な作業療法実践能力を有する作業療法士。日本作業療法士協会によって2009年度の創設された専門作業療法士制度によって認定される。

簡単にいうと、作業療法士のある分野を極めたプロフェッショナルです。

認定作業療法士・専門作業療法士の数は少なく、権威として価値をもっています。

病院・施設に存在すると看板になるのではないでしょうか。

また、認定・専門作業療法士にしか講師が勤まらないセミナーがあったり、専門分野の研修の講師として呼ばれたりもするでしょう。

認定作業療法士・専門作業療法士は自分の価値を高めることにつながるので、定年まで働ける確率が高まります。

管理職

管理職(科長・主任)はひとつのキャリアです。

作業療法士のスキルを磨いて、経験を重ねて、努力が認められると昇進するかもしれません。

ただ、管理職は治療技術に長けているだけでは務まらないです。

リハビリ科全体の管理業務、病院・施設の経営、外部とのやり取り、クレームの対処など、いろいろな業務があります。

管理業務をこなせる人材は少なく、管理職を任された人は定年まで働ける確率が高まります。

研究・執筆

研究・執筆は作業療法士のキャリアです。

  • 大学や研究室に入って、医療・福祉やリハビリテーションの研究をする
  • 医療・福祉・リハビリテーション関連の本を出版する

研究・執筆で素晴らしい功績を残せば、定年までを心配することなく、作業療法士としてやっていけるでしょう。

「誰かの役に立ちたい」という志で飛び込んだ作業療法士の世界で、研究・執筆に尽力できることは素晴らしいキャリアです。

作業療法士養成校教員

作業療法士養成校の教員は多くが作業療法士有資格者です。

作業療法士養成校教員になれたら、定年まで安心して働くことができるでしょう。

ただ、授業、実習のサポート、卒業研究のサポート、学生の相談、専門分野の研究など、大学教員は忙しいです。

身体的疲労というか、精神的疲労・ストレスが強い印象はあります。

学生を指導するのが好きじゃないと、作業療法士養成校教員は務まりません。

セミナー講師

認定・専門作業療法士ではなくても作業療法士がセミナーを開くことはできます。

セミナー講師は年齢を問わず、知識・技術があれば定年までやっていけます。

セミナー講師は自分を高めることにつながりますし、仕事の幅が広がって人脈をたくさんつくることもできるでしょう。

作業療法士の知識・技術があって、マーケティングの知識にも長けていれば、セミナー講師で食べていけるかもしれません。

関連記事:将来性のない作業療法士について解説

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キャリアアップが成功するとは限らない

作業療法士のキャリアアップが成功するとは限りません。

ちなみに、成功というのは費用対効果で考えた場合です。

費用を超えるお金を生み出すことができれば、キャリアアップは成功だと思っています。

  • 認定・専門作業療法士
  • 管理職
  • 研究・執筆
  • 養成校教員
  • セミナー講師

さきほど紹介したキャリアアップをすべての作業療法士ができるかというと絶対に無理です。

才能、環境、資金など、人によって環境は違うので簡単ではありません。

そのため、作業療法士の将来に向けて、あらゆる可能性を考えておく必要があります。

何歳まで働けるのか不安なら転職をして給料を上げろ

正直いうと、作業療法士として何歳まで働けるかはわかりません。

作業療法士の将来が不安なら、稼げるときに稼いでおくことが大切です。

未来のことはわからないので現在に力を注ぎましょう。

給料アップできるときに上げて、お金を稼げるときに稼ぎまくるのです。

転職を上手く利用して、作業療法士の給料を上げるのはひとつの方法だと思います。

私の同期は2回転職しているのですが、転職するたびに給料アップしています(転職先と給料交渉を上手くするのがポイントらしい)

関連記事:作業療法士のおすすめ転職サイトを解説

まとめ

作業療法士として定年まで働ける人はわずかだと思います。

すべての作業療法士が60歳になっても現場で働いている姿は想像できません。

定年まで働けないのであれば、作業療法士以外でお金を生み出すしかありません。

「医療職は患者さんのために利他主義を貫け」という考え方はわかるのですが、作業療法士にも生活があって家庭があって家族がいます。

利他主義を貫いたあとに何も残らなかったら、自分の将来と老後は真っ暗です。

だからこそ、できるときにできることをしておくべき。

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