このページでは独身が天涯孤独の老後を幸せにするためやるべきことを紹介します。
老後の不安を抱えている独身者は多いです。
- 独身だと老後に病気をしたら不安
- 独身の老後は天涯孤独は怖い
- 孤独死は発見されないから悲惨
50~60代の独身者は老後の背中が見え始めるので、不安をより強く感じると思います。
年齢を重ねるとともに不安は増して、毎日が憂鬱になっていきます。
老後の不安をすべて解消することは難しいですが、あなたが幸せな老後を送りたいのなら、できるだけ早くからやるべきことを実践しましょう。
天涯孤独の老後は怖い
天涯孤独の老後は怖いと言われますが、考えてみると大変な部分は多いです。
- 単純に寂しい
- 体調を崩したときに誰も看病してくれない
- 突然倒れたとき、誰も助けてくれないし、救急車を呼ぶこともできない
- 家事や公共手続きなど、すべてを自分でやらないといけない
- 両親の介護を1人でやらないといけない
天涯孤独の老後は怖いと言われても仕方ありません。
大多数が「病気」と「親の介護」に天涯孤独の怖さを感じているはずです。
天涯孤独の老後は病気が怖い
私はリハビリ職として病院で働いていますが、独身と既婚の患者さんを比べたとき、病気になった後の生活は独身の患者さんのほうが大変です。
病気で身体は動きにくいうえ、自宅に助けてくれる人がいないので全部を自分でやらないといけません。
ヘルパーなどの訪問介護サービスを利用したとしても、すべての時間を介護してくれるわけではないので、時間とともに独居老人の生活は崩れていきます。
既婚者より独身者のほうが病気の悪化が早く、施設入所までのスピードも速いです。
そして、「独身者は孤独死が怖い」と言われますが、訪問リハビリに伺ったときに「寝室で亡くなっていた」「トイレで倒れていた」というようなケースは実際にあります。
独身者は大病を患うと老後が悲惨なものとなるでしょう。
独身の老後は親の介護が怖い
病院で働いていると「50代の子供が80代の両親の介護をしている」というケースに出会います。
50代の子供は仕事と介護の両立に疲弊していき、80代の両親は十分な介護が受けられずに弱っていくことが多いです。
老々介護という最悪の悪循環が完成します。
独身の子供は生活するためにお金を稼がないといけないが、親の介護のために実家と病院を行ったり来たりで、ゆっくりと休める時間がなく仕事と介護に忙殺されるのです。
急に親が病気になったとき、ほとんどの人はパニックになって、仕事と介護の両立に戸惑います。
既婚であれば結婚相手が助けてくれますが、独身の場合は自分ひとりでやらないといけません。
仕事の調整、入院・通院の手続き、介護保険の申請、介護サービスの利用など、急に訪れた介護生活はかなり大変だと思います。
独身者は親の介護が一気にくると悲惨です。
独身が天涯孤独の老後に抱える不安
人間は天涯孤独を恐れる生き物なので、「独身」という言葉の不安は年齢とともに増加していきます。
ここでは独身者が老後にどんな不安を抱えているのか紹介します。
不安を共有することで気持ちが落ち着きますし、将来に向けての心づもりができるはずです。
施設入所の不安
年齢とともに身体が思うように動かなくなっていき、自宅での生活に困る場面が増えていくはずです。
独身者の場合は病気を1人で乗り越えないといけません。
身体の衰えが軽い時期であれば、訪問介護や通所サービスを利用しながら自宅生活を続けることができますが、身体の衰えが一定ラインを超えたとき、自宅での生活は難しくなるのです。
- 日常生活全般に介護が必要となった
- 自宅での転倒が増えた
- ガスなど火の始末ができなくなった
- 食事や服薬の乱れで調子が悪くなった
いろいろなケースが考えられますが、自宅での生活が困難になれば次に考えるのが施設入所です。
多くの独身者は施設の入所に関して不安を抱えています。
- 施設入所することができるのだろうか?
- 施設入所できるだけのお金があるだろうか?
- 施設入所するときの手続きができるだろうか?
- 施設入所後も楽しく生活できるだろうか?
地域によっては「施設入所待ちの人が100人」という話を聞きますし、入所のためにはそれなりのお金が必要です。
施設入所の手続きはケアマネジャーが手伝ってくれるかもしれませんが、ケアマネとのやり取り、施設とのやり取りは自分がしないと誰もしてくれません。
そして、施設入所後の生活は場所によってさまざまです。
ニュースでもありますが、施設職員の暴言・暴力などが絶対にないとは言えないので、入所後の生活はしてみないとわかりません。
独身者の施設入所は不安がつきものです。
病気になったときの不安
風邪や打撲などの軽傷から骨折や脳梗塞などの重傷まで、病気は急にやってくることが多いです。
独身者の老後は両親もいないだろうし、家族もいないだろうし(兄弟がいれば別)、急に体調を崩したとき苦労します。
- 入院しても誰もお見舞いにきてくれない
- 風邪をひいても誰もおかゆを作ってくれない
天涯孤独の療養生活はとにかく寂しいと思います。
天涯孤独の老後に病気をしたとき、大変さに加えて寂しさが襲いかかってきます。
誰しも病気は不安ですが、独身者の不安は人一倍です。
老後資金の不安
老後資金の目安を2000~2500万くらいと言われますが、独身の場合は半分の1000~1250万くらいだと思います。
しかし、病気や不慮の事故によって、2000~3000万円ほどの金額が必要になるかもしれません。
正直いうと、老後にどれくらいのお金が必要かは正確にわかりません。
独身者は漠然とした老後資金の問題に対して、1人で考えて対処する必要があるのです。
人間は孤独だと不安が増強するもので、独身者は老後資金を考えたとき、安心することができないと思います。
そして、お金の問題に対処できなかった独身者が生活保護制度を利用するケースは多いです。
私は病院・施設で働いてきて、生活保護を利用している方をたくさん見てきました。
家庭環境や障害のため、仕方がなく生活保護を利用している方もいましたし、酒・ギャンブル・夜遊びにお金を使いまくって、老後は生活保護を使って無料で医療を受けている方もいました。
私に生活保護受給者の患者さんを批判する権利はありません。
老後のお金の不安を解消する最後の砦が生活保護です。
関連記事:【一瞬でお金を増やす方法3選】人生を変える投資術とは
天涯孤独は寂しい
天涯孤独だと寂しさを感じることが多いです。
- 家に帰っても電気がついていない
- 家に帰っても暖房がついていない
- おかえりの言葉がない
- 楽しみを共有することがない
- 自宅で会話をすることがない
孤独が平気な人であれば大丈夫ですが、基本的に人間は孤独が嫌いです。
SNSがあれだけ発展しているのも人間の孤独嫌いの表れだと思います。
老後に1人だと寂しいから結婚する人も多いのではないでしょうか。
80~90歳になって家族がおらず家に1人でポツンといるのは寂しいかもしれない。
住居の不安
老後の住居としてマンションの購入を検討する人は多いです。
大きな一軒家ではなく、マンションであれば独身者も暮らしやすいと思います。
住居を買えば老後の生活場所は確保できますが、住宅ローン・修繕費・火災保険・税金などを含めて数千万のお金が必要となります。
ただ、高齢独身者は賃貸の契約がしにくいという話を聞きますし、老後まで家賃を払い続けるなら住宅ローンのほうがいいのではないかとも思います。
住居の悩みについて正解はなく、自分の価値観次第だと思います。
低給料で貯金もないのに無理な住宅ローンを組んだり、バカ高い賃貸に住んだりしなければ、自分の好きなようにしたらいいでしょう。
独身だからこそ老後の住居を過度に不安視しますがなんとかなると思います。
私が施設で働いていたとき、賃貸や市営住宅に1人暮らしの高齢者はたくさんいましたし、みなさんなんとか暮らしていました。
天涯孤独の老後を幸せにするためやるべきこと
独身者の老後について書いてきましたが、独身者が必ずしも不幸になるわけではありません。
独身でも天涯孤独の老後を幸せに過ごすことはできます。
ここでは老後が不安な独身者のやることリストを紹介します。
幸せな定年生活を送りたいのなら、これから紹介することを実践するべきです。
健康管理
天涯孤独の老後をどれだけ楽しく過ごせるかは、どれだけ健康で生きていけるかにかかっています。
既婚者と比べて、独身者は病気になれば生活の質が一気に下がります。
独身者に限らずですが、健康管理の基本は以下の3つです。
- 規則正しい食生活
- 適度な運動
- 睡眠時間の確保
食事・運動・睡眠を基本として、規則正しい生活を送ることが健康管理の第一歩であり最終ゴールです。
もちろんですが、お酒の飲みすぎとタバコは絶対に禁止です。
過度な飲酒とタバコは百害あって一利なしです。
お酒とタバコが好きな人は禁酒と禁煙から始めるのがいいでしょう。
交友関係をつくる
私も1人でいることが苦にならないタイプです。
しかし、家族・友達・知り合いが全くいない天涯孤独はつらいと思います。
そして、天涯孤独の老後が続くと身体的・精神的に不調が表れるでしょう。
私は病院で勤務していますが、他人との関わりが多い人ほど元気です。
他人と「よくしゃべり、よく外出し、よく運動し、よく遊び」している人は健康でイキイキとしています。
独身の場合、家族を増やすことはできませんが、友達や知り合いを増やすことはできます。
気の合った友人は何かあったときに助けてくれるはず。
近隣の知り合いは少しでも気にかけてくれるはず。
天涯孤独を楽しむのもいいですが、友達・知り合いとワイワイするのも楽しいです。
独身者が老後を楽しむために交友関係は欠かせません。
やりたいことをやる
老後を独身で過ごすと決めたのなら、独身者の特権をフルに活用しましょう。
「やりたいことを徹底的にやる」
独身だからこそ自分のやりたいことにすべての時間を使えます。
結婚して家庭をもつと自分の時間は確実に減ります。
また、金銭的にも独身者のほうが余裕はあるはずです。
なぜなら、独身者は教育費が不要だから。
子ども1人を育てるのに1000万円以上かかると言われるので、独身者はその金額分を自分のために使えるというわけです。
せっかく独身なのだから、お金と時間を使って、後悔しないようにやりたいことをやるべきです。
お金をつくる
独身者の老後資金は1000~1250万が目安です。
場合によってはもっと必要になることがあるので、老後資金はあればあるほどいいでしょう。
独身者が老後を楽しむためにはお金の蓄えが必須です。
- 貯金
- 投資
- 副収入
上記3つの考え方でお金をつくるしかありません。
独身で老後を向かえることを想定して、30~40代のときから貯金をしましょう。
お金をつくる方法として貯金はシンプルです。
コツコツ節約していけばお金は必ず貯まります。
また、貯金だけでなく老後までに投資でお金を増やしておくべきです。
私は老後資金のことも考えて20代から投資を始めています。
病院勤務の投資初心者が働きながらコツコツ投資でお金を増やしているのです。
関連記事:老後に向けた資産運用の成績を公開
さらに、老後までに副収入源を確保できると生活は安定するでしょう。
ブログ、不動産、配当収入など、安定的な副収入があると老後生活が一気に楽になります。
老後の収入源となるスキルや資格を身につけるのもいいです。
国語、数学、英会話などの知識に長けていれば、近所の子供たちに教えることでお金を稼げるかもしれません。
副収入を通して、近所の人や子供たちと関わりをもっておくと、万が一のときも安心だと思います。
天涯孤独の老後はお金がないと生きていけない
総務省の家計調査報告(2017年)に高齢無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の月間収支が示されています。
【高齢無職世帯の月間収支】
実収入(年金など):209198円
消費支出(食費など):235477円
非消費支出(税金など):28240円
上記の数字を使って、毎月の不足分の金額を計算します。
209198-235477-28240=-54519
54519円は毎月の赤字額であり、不足分は貯金や個人年金などで補う必要があります。
年間で考えると不足金額は654228円(54519円×12か月)
老後期間を20年、25年、30年と想定した場合、年金以外に下記金額が必要となります。
約1308万円(20年)
約1635万円(25年)
約1962万円(30年)
独身者の場合は半分の1000万円くらいが老後資金の目安です。
天涯孤独の老後は誰も助けてくれる人がいないので、お金がないと悲惨な生活が待っているでしょう。
- お金がないと施設に入れない
- お金がないと長い老後を生きていけない
天涯孤独の独身者は20~30年の間、ひとりだけの年金で生活する必要があるので、金銭的に余裕があるとは言えません。
悲惨な老後を向かえないためにも、独身者は老後資金をしっかりと残しておくべきです。
関連記事:一人暮らしの家計簿を公開!20代男性が普通に生活した結果
まとめ
ネットでは「5人に1人が未婚で生涯を終える」とも言われています。
これからの時代は天涯孤独の独身高齢者が増加していくでしょう。
世間的には「独身は悲惨」というイメージが蔓延しています。
しかし、既婚がいいのか、独身がいいのか、正解はありません。
インターネットの普及や娯楽の充実により、独身でも老後を楽しく過ごしていけます。
もしかしたら、結婚という概念が消えて、「既婚はかわいそう」という時代がいつの日か訪れるかもしれません。
コメント