理学療法士が就職できないという話は冗談ではなく事実

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理学療法士が就職できないという話理学療法士・作業療法士

このページでは理学療法士が就職できない未来について解説します。

理学療法士は就職に有利という話を聞きますし、多くの学生は将来の安定を求めて理学療法士を目指します。

しかし、理学療法士が就職できない未来はあり得るのです。

リハビリ職という資格に頼り切っていたら、40~50代なったときに苦労するでしょう。

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理学療法士が就職できないという話

理学療法士が就職できない話ですが、現時点では就職できないことはありません。

今からでも求人サイトを探せば、どこかの病院・施設には就職できると思います。

ただ、私の病院は理学療法士の求人をストップしています。

なぜかというと、理学療法士が多すぎるからです。

理学療法士の数が多くて、明らかに余っている状態なので、私の病院に就職したくても就職できないのです。

人手を持て余していて、理学療法士ひとり当たりの単位数は少なく、リハビリ科の運営の効率は良くありません。

ちなみに、理学療法士の募集はありませんが、作業療法士・言語聴覚士の募集はしています。

私の病院の状況を見ていると、今後は理学療法士があふれて就職できない未来はあり得ると思っています。

理学療法士の雇用が無限にあるとは思えないので、需要の減少にしたがって就職できない理学療法士は増えるでしょう。

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理学療法士が就職できない理由

理学療法士が就職できない理由はいくつか考えられます。

  • 理学療法士数の増加
  • 退職者が少ない
  • 重要性の低下

それぞれが相互に作用することで、理学療法士の雇用環境が悪化するのです。

あくまでネガティブな想像なので参考程度にご覧ください。

理学療法士数の増加

理学療法士養成校の入学定員は年々増加しており、それに伴って理学療法士数も増加しています。

平成21年から定員数は横ばいで推移していますが、それでも毎年1万人以上の理学療法士の卵が誕生しているのです。

厚生労働省の資料(理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について)には理学療法士について不安なことが書かれています。

・2040年には人口10万人に対する療法士数は約3倍に増加。

・現在の養成定員数が将来も維持された場合、2040年時点の18歳人口に占めるPT・OT学校養成施設入学者数の割合は約1.35倍に増加。

・PT・OTの供給数は、現時点においては、需要数を上回っており、2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍となる結果となった。

理学療法士数の増加による影響ですが「2040年頃には供給数が需要数の約1.5倍」というのがポイントです。

需要の1.5倍の供給があったら、求人の取り合いになって、就職できない理学療法士が出てくると思いませんか。

理学療法士の業界を辞める人は少ない

理学療法士の業界は若い年代の人が多いので、他の業界と比べて年間の退職者は少ないのです。

以下の表を見ると、理学療法士がどれだけ若者で構成されているかわかります。

引用:理学療法士・作業療法士の需給推計を踏まえた今後の方向性について

理学療法士だけでなく、作業療法士・言語聴覚士についても若い年代が多いです。

理学療法士の56.3%を21~30歳で占めており、51~70歳は4%しか在籍していません。

増える分だけ減ればいいのですが、理学療法士の場合は減らないから厄介なのです。

また、今後は退職年齢の延長が予想されるので、さらに理学療法士を辞める人は少なくなるでしょう。

人生100年時代において、70歳まで現役で働くことは普通です。

中年の理学療法士が70歳まで頑張ることで、下の年代の雇用が押しつけられ、就職できない若者が生まれるかもしれません。

理学療法士の重要性の低下

理学療法士数が増加して、人手が余ることによって、理学療法士の重要性が低下するかもしれません。

理学療法士が欲しいという状況ではなく、むしろ作業療法士のほうがいいという状況になるのです。

ひとりの患者さんに理学療法、作業療法、言語療法の3つの処方が出せるとして、理学療法士しかいない状況は経営的に良くないです。

経営的に考えると、ひとりの患者さんに理学療法だけを処方するより、理学療法・作業療法・言語療法を処方するほうが儲かります。

理学療法士だけしかいなかったら理学療法でしか稼げませんが、作業療法士がいたら作業療法でも稼げます。

つまり、理学療法士ばかりを集めるのではなく、作業療法士と言語聴覚士もバランス良く必要なのです。

そのため、理学療法士数が増加して、理学療法士が余り始めると、「むしろ作業療法士のほうがいいという状況」が引き起こされます。

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ロボットリハビリは理学療法士の仕事を奪うのか

今後はロボットリハビリが発展して、歩行訓練の介助、起き上がり訓練の介助などを、ロボットが手伝ってくれることになるでしょう。

実際に脳卒中の患者さんの歩行訓練をロボットが支援することはあります。

参照:https://www.cyberdyne.jp/products/LowerLimb_medical_jp.html

ロボットは、人間には実現できないパワーと安定性で患者さんを支援するので、将来的にはもっと普及していくと思います。

では、ロボットリハビリが理学療法士の仕事を奪うのでしょうか。

あくまで予想ですが、一部の理学療法はロボットリハビリに代替されるでしょう。

単純に考えて、理学療法士が今までしていた部分を、ロボットが代わりにしてくれるので、理学療法士はやることが減ります。

また、患者ひとりに対して理学療法士1人が必要だったのが、患者5人に対して理学療法士1人+ロボットという可能性も考えられます。

ロボットリハビリが理学療法士の仕事を奪う未来を想像しておくべきです。

しかし、ロボットが新しい仕事を生み出す可能性もあります。

ロボットを使用する理学療法士、ロボットを整備する理学療法士、ロボット開発に関わる理学療法士など、新たな雇用が生まれるかもしれません。

奪われるものもあれば、生まれるものもあるので、理学療法士として変化することが大切になっていきます。

関連記事:【作業療法士はいらないのか】OTの失業リスクを紹介

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理学療法士が就職できない未来を想像しておくべき

理学療法士が就職できない未来は来ないかもしれません。

今までと同じように、理学療法士の雇用は維持される可能性はあります。

ただ、未来に何が待っているかはわかりませんし、最悪のケースは頭に入れておくべきです。

また、理学療法士の不安要素を把握していても損はしません。

  • 理学療法士数の増加
  • 理学療法士の退職者の少なさ
  • 理学療法士の需要の減少

理学療法士をめぐる環境は変化していくので、資格を取ったら将来は安定とは言えません。

理学療法士が就職できない未来を想像しておくと、急に雇用環境が悪くなったとき、柔軟に対応することができるでしょう。

災害の準備していないと、急に地震が起きたとき、冷静な判断はできません。

それと同じで、理学療法士の将来を楽観視しすぎていたら、急な災害によって仕事を失ってしまうのです。

関連記事:理学療法士・作業療法士が投資をするべき理由

まとめ

理学療法士が就職できない未来はまだまだ先でしょう。

高齢化社会がピークを迎えるまでは、リハビリ職の需要は維持されるので、理学療法士の学生は安心してください。

ただ、就職に強くなるため、日頃から自己研磨に励むことは大切です。

  • 読書
  • 手技
  • 研修会
  • セミナー

理学療法士としての価値を高めるために、知識と技術の取得に励みましょう。

ダイヤモンドは数が少ないからこそ価値があって高価なのです。

あなたも価値を高める努力をして、ダイヤモンドのような理学療法士を目指してください。

関連記事:【作業療法士に将来性はない】OTが40代までにするべきこと

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