ドルコスト平均法のシミュレーションをしたら驚愕の結果

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ドルコスト平均法のシミュレーション結果を解説投資の基本知識

このページではドルコスト平均法の投資シミュレーションを解説します。

「ドルコスト平均法はどのような相場状況で得をするのか?」という疑問を抱えている投資家は多いと思います。

ドルコスト平均法は投資初心者におすすめされますが、相場の状況によって結果が大きく変化するのです。

できればドルコスト平均法でより良い成績を残したいものです。

そのためにはドルコスト平均法の特徴を頭に入れて、投資シミュレーションをすることが大切です。

ドルコスト平均法の成績が相場によって、どのように変化するかをシミュレーションしておくと、その時々で最適な投資判断ができると思います。

あくまで簡易シミュレーションなので参考程度にご覧ください。

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ドルコスト平均法のシミュレーション5つを解説

ドルコスト平均法の成績が相場状況によって、どのように変化するかをシミュレーションしてみました。

5つの相場ケースを想定して、一括投資、定数投資、定額投資(ドルコスト平均法)で結果がどう変わるのか検証しています。

  • 下落と上昇を繰り返す相場
  • 大きく下落してから上昇する相場
  • 大きく上昇してから下落する相場
  • 右肩上がりに上昇する相場
  • 右肩下がりに下落する相場

上記のシミュレーションについて、グラフを用いてわかりやすく解説します。

シミュレーションの設定は以下のとおりです。


・商品は投資信託

・投資タイミングは6回

・購入手数料、インカムゲイン、税金は無視

・一括投資は1回目の投資タイミングに60万円を購入(計1回)

・定数投資は毎回100口ずつを購入(計6回)

・定額投資は毎回10万円ずつ購入(計6回)

・最終6回目時点で売却


最終6回目時点で売却するとして、購入口数と価格から投資成績も計算しています。

損益はプラスを、マイナスをで表示しています。

※あくまで簡易な個人的検証であり、価格の変動によって結果は異なります。
※表の数字は小数点以下切り捨て

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ケース1:下落と上昇をくり返す相場

ケース1では下落と上昇をくり返して、投資初期の価格1.5倍に落ちつきます。

ドルコスト平均法が得意とする相場です。

投資信託の価格が1000円のときに投資を始め、下落と上昇をくり返して最終価格は1500円に落ちついています。

各投資法の成績は以下のとおり。

【一括投資】
評価額90万円/損益+30万円

【定数投資】
評価額90万円/損益+20万円

【定額投資(ドルコスト平均法)】
評価額102.3万円/損益+42.3万円

すべての投資法がプラスリターンとなっていますが、ドルコスト平均法が最も高いリターンを上げています。

平均購入単価もドルコスト平均法がいちばん低いので当たり前の結果です。

一括投資は4回目時点で売却しておけば元本2倍となりましたが、5回目時点で売却してしまえば元本半分になっていました。

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ケース2:大きく下落してから上昇する相場

ケース2では大きく下落してから上昇して、投資初期の価格半分に落ちつきます。

ドルコスト平均法が大得意とする相場です。

投資信託の価格が2000円のときに投資を始め、200円まで大きく下落してから1000円まで上昇していきます。

各投資法の成績は以下のとおり。

【一括投資】
評価額30万円/損益-30万円

【定数投資】
評価額60万円/損益+8万円

【定額投資(ドルコスト平均法)】
評価額115万円/損益+55万円

一括投資は高値をつかんでしまっているので、どの時点(2~6回目)で売却してもマイナスリターンとなります。

一括投資の場合は3回目時点で売却していたら、元本が10分の1になるので投資初心者は注意が必要です。

そして、ドルコスト平均法は高いリターンを上げています。

ドルコスト平均法は株価が大きく下落したときに投資信託を安く購入しているので、価格が戻ったときのリターンは大きくなるのです。

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ケース3:大きく上昇してから下落する相場

ケース3では大きく上昇してから下落して、投資初期の価格に戻ります。

ドルコスト平均法が苦手とする相場です。

投資信託の価格が500円のときに投資を始め、2000円まで大きく上昇してから500円まで下落していきます。

各投資法の成績は以下のとおり。

【一括投資】
評価額60万円/損益0円

【定数投資】
評価額30万円/損益-40万円

【定額投資(ドルコスト平均法)】
評価額34.1万円/損益-25.9万円

一括投資以外はマイナスリターンです。

ドルコスト平均法は高値でも関係なく購入していくので平均購入単価が高くなってしまい、投資の出口に下落が訪れたときのダメージは大きいです。

ケース4:右肩上がりに上昇する相場

ケース4では右肩上がりに上昇して、投資初期の価格6倍まで上がっていきます。

一括投資が大得意とする相場です。

投資信託の価格が500円のときに投資を始め、3000円まで右肩上がりに上昇していきます。

各投資法の成績は以下のとおり。

【一括投資】
評価額360万円/損益+300万円

【定数投資】
評価額180万円/損益+75万円

【定額投資(ドルコスト平均法)】
評価額146.7万円/損益+86.7万円

一括投資は右肩上がりの相場において、「安値で買い、高値で売る」を見事に実現して最高のリターンをたたき出します。

ドルコスト平均法は価格の上昇にあわせて高値をつかんでいますが、右肩上がり相場のおかげでリターンはプラスです。

ただ、右肩上がりの相場ではドルコスト平均法の機会損失デメリットが利益を減らします。

ケース5:右肩下がりに下落する相場

ケース5では右肩下がりに下落して、投資初期の10分の1に落ちつきます。

すべての投資法で大きな損失を抱える相場です。

投資信託の価格が2000円のときに投資を始め、200円まで右肩下がりに下落していきます。

各投資法の成績は以下のとおり。

【一括投資】
評価額6万円/損益-54万円

【定数投資】
評価額12万円/損益-42万円

【定額投資(ドルコスト平均法)】
評価額28.3万円/損益-31.7万円

ドルコスト平均法の損失がいちばん少ないですが、すべての投資法でマイナスリターンとなっています。

一括投資は高値づかみをしており、ドルコスト平均法はナンピン買いをくり返している状況です。

どのような投資法を使っても、右肩下がりに下落していった場合は、資産の減少から逃げることができません。

まとめ

ドルコスト平均法のシミュレーションの結果は以下のとおりです。

  • 変動相場においてドルコスト平均法は役に立つ可能性が高い
  • 下落してから上昇するとドルコスト平均法は強い
  • ドルコスト平均法の弱点は大きく上昇してから下落する相場
  • 右肩上がりの相場ではドルコスト平均法は非効率

ドルコスト平均法が有利なケースもあれば、不利なケースもあるので過度な期待はやめておきましょう。

ただし、どのような投資法を使っても、下落相場が長期的に続いたり、最終的に大きな下落が訪れたりした場合は、投資家の損失は大きくなるでしょう。

基本的に投資家は右肩上がりの成長に期待しているので、価格が下落したときはどうしようもないのです。

一括投資でもドルコスト平均法でも、最終的に価格上昇してくれないと投資の意味はありません。


【補足】
このページのシミュレーションは簡易なものであり、数字データを調整することで結果が大きく変化するので、あくまで参考程度にご覧ください。


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