このページでは作業療法士を転職した同期から聞いた話をまとめました。
仕事から逃げ出したいと思っている作業療法士はいるでしょう。
「作業療法士の仕事がつらい」
「作業療法士を辞めたい」
私は現役の作業療法士ですが、作業療法士を辞めることは恥ではないと思っています。
「辞めたいなら辞めてもいい」と私が思うようになったのは、作業療法士を辞めた同期が関係しています。
私の同期は作業療法士を辞めたうえ、意外な職種に転職していたのです。
同期が作業療法士を辞めて転職していた
冒頭でも言いましたが、私の大学の同期が作業療法士を辞めていたのです。
同期が転職した事実を知ったのは、街で偶然に出会ったときでした。
私:「あっ!△△~!久しぶり!!」
同期:「おっ、久しぶり!」
私:「忘年会以来だね!どう?仕事は順調にいってる?」
同期:「えっ!あぁ・・実は・・・・作業療法士を辞めたんだ」
私:「えっ・・」
大学4年間を共に過ごして、勉強と実習を一緒に頑張って、国家試験を乗り越えた同期が作業療法士を辞めていたことはショックでした。
仕事を辞めることは悪いことじゃないのですが、瞬間的に「なんで!?」と思ったのは事実です。
そして、最初に聞いたときは「高い学費を払って、せっかく資格を取ったのにもったいない」と感じました。
作業療法士を辞めた同期は別の職業に転職していたのです。
作業療法士から福祉用具業者に転職した同期
作業療法士を辞めた同期は福祉用具業者に転職していました。
大手の福祉用具レンタル会社に就職し、福祉用具の相談・搬送などをしているそうです。
福祉用具業者に転職するにあたって、福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター2級、福祉用具プランナーの資格を取っていました。
※余談ですが、私も福祉住環境コーディネーター2級の資格を持っていたので、それを聞いたときに「同じ資格を持ってる!!」と盛り上がりました。
関連記事:福祉住環境コーディネーター2級に独学で合格する勉強法を紹介
同期が作業療法士を辞めたことにも驚きましたが、転職後の仕事が福祉用具業者ということにも驚きました。
なぜ同じ医療・福祉分野に転職したのか?
なぜ作業療法士と関係のない分野に転職しなかったのか?
同期が福祉用具業者に転職した理由は純粋に気になりました。
福祉用具業者に転職するなら、作業療法士でも良かったのではないかと思ったのです。
同期が作業療法士を転職した理由
同期が作業療法士を辞めた理由は作業療法士の仕事が楽しくなかったからでした。
- 作業療法士としてスキルアップしていくのがしんどくなった
- 症例発表やレポートがつらかった
- 先輩からのダメ出しや指摘がストレスだった
- 自分のリハビリに自信が持てなくなった
- 人間関係に息が詰まっていた
いろいろな要因があるようですが、同期が強く言っていたのは「作業療法士の仕事が楽しくなかった」という言葉です。
楽しかった作業療法が、いつの間にか楽しくなくなった、という感じです。
同期は作業療法が楽しくないという漠然とした感情を持っていました。
人間の感情の表現はとても難しいと思います。
世の中には仕事を辞めたいと思っている人がたくさんいるでしょう。
しかし、すべての人が具体的な辞めたい理由を持っているとは限りません。
「なんか辞めたい」
「気持ちがもう続かない」
漠然とした理由で仕事を辞めたいと思っている人もいるはずです。
作業療法士を辞めた同期と話していて、「漠然と仕事が辞めたい」という気持ちが少しわかった気がしました。
「なんか辞めたい」
「気持ちがもう続かない」
と思っている人に対して
「なぜ辞めたいの?」
「なぜ気持ちが続かないの?」
と聞くことは拷問なのです。
作業療法士の転職は多いので不思議ではない
作業療法士の転職は多いので驚くことではありません。
しかし、転職と言っても作業療法士は職場を変えることが多いのです。
転職には2種類あります。
- 職業を変える
- 職場を変える
作業療法士に多いのは職場を変える転職です。
何度も職場を変えている作業療法士はどこにでもいますし、職場を変えることはキャリアアップにもつながります。
国家資格というのは就職に強くて、医療系の資格はまだ需要もあるので、複数回の転職にそれほど苦労しません。
だから、作業療法士が転職して職場を変えることは普通なのです。
ただ、作業療法士の資格を取ったのに、転職して職業を変える人は少ないです。
作業療法士を辞めて別の職業に就いた人は、私のなかで同期が初めてでした。
作業療法士の資格を捨てて、別の分野に飛び込むことは、少数派であるがゆえに勇気がいります。
福祉用具業者に転職した作業療法士はイキイキしていた
同期が福祉用具業者になった理由は、業者の仕事を見ていて、一度やってみたかったからとのこと。
同期が作業療法士を辞めて転職したと聞いたとき、少しショックを受けたのですが、話しているうちに悲観的な感情はなくなりました。
なぜなら、同期が今の仕事をとても楽しそうに語るからです。
福祉用具業者になった同期はとてもイキイキしていました。
同期は今の仕事がとても楽しくて、やりがいを持って取り組めているそうです。
「作業療法士を辞めたことは後悔していない。今の仕事が楽しいから。あと作業療法士を辞めたからといって、もう二度と作業療法士になれないわけじゃないし。また作業療法士がやりたくなったら転職しようかな(笑)」
同期は常に笑顔でした。
作業療法士を辞めることでさまざまな葛藤があったはず。
転職について多くの人にいろいろなことを言われたはず。
両親からは反対されたはず。
同期にとって作業療法士を辞めることは大きな決断だったと思います。
作業療法士を辞めるという大決断をして、福祉用具業者として笑顔で仕事している同期は凄いと感じました。
作業療法士を辞めたいなら辞めてもいい
作業療法士を辞めた同期と話してみて、作業療法士を辞めたいなら辞めてもいいと感じました。
国家資格の職業は「せっかく資格を取ったのだから」「資格を手放すのがもったいない」という気持ちから転職に踏み切れないことが多いです。
しかし、辞めたいなら辞めてもいいのです!
辞めたいときが辞めどきかもしれません!
あなたが作業療法士として笑顔で仕事ができていないのなら、一度だけ作業療法士を離れてみるのがいいかもしれません。
自分が幸せじゃないと患者さんを幸せにはできません。
今の環境を変えるために転職してみるのもひとつの手です。
転職して空気を入れ替えるのも悪くないと思います。
関連記事:作業療法士のおすすめ転職サイトを紹介
作業療法士を辞める前に職場を変えてみる
私の同期は作業療法士を辞めて福祉用具業者に転職しました。
作業療法士を辞めたいなら辞めてもいいと思います。
ただ、作業療法士を辞める前に、職場を変えてチャレンジしてみるべきです。
あなたが1つの職場でしか働いたことがないなら、作業療法士を辞めるのは時期尚早でしょう。
作業療法士として、いくつかの職場を経験してもなお、「作業療法士を辞めたい」と思ったときが辞めるタイミングです。
職場を変えることで、作業療法士の違う一面が見えるかもしれません。
職場を変えることで、素晴らしい作業療法士に出会うことができるかもしれません。
職場を変えることで、作業療法士の新たな面白さに気づくかもしれません。
作業療法士として、1つの職場でしか働いたことがないのに、作業療法士を辞めるのはもったいないです。
まとめ
作業療法士を辞めて福祉用具業者になった同期を通して、いろいろなことを考えさせられました。
人生にはたくさんの生き方があります。
そして、自分の人生なので他人から文句を言われる筋合いはなく、後悔しないようにやりたいことをやるのが一番です。
仕事を辞めたいのなら辞めてもいい。
仕事がつらいなら転職してもいい。
一度きりの人生だから後悔ないように。
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