福祉住環境コーディネーターは使える資格なのか作業療法士が解説

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福祉住環境コーディネーターは使える資格なのか解説医療・福祉

このページでは作業療法士が福祉住環境コーディネーターの利用価値を解説します。

福祉住環境コーディネーターは毎年2万人以上が受験する人気の資格です。

人気だからこそ、福祉住環境コーディネーターの資格は使えるのか心配になるでしょう。

せっかく資格を取っても、人生に活かせないのであれば意味がありません。

正直いうと、福祉住環境コーディネーターの利用価値はグレーゾーンです。

個人的に福祉住環境コーディネーターは使えると断言できません。

福祉住環境コーディネーターの取得を考えている人はぜひご覧ください。

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私は作業療法士と福祉住環境コーディネーターの有資格者

私は作業療法士の有資格者であり、現在は病院に勤務しています。

ちなみに作業療法士はリハビリ専門職であり、厚生労働省より認定された国家資格です。

そして、私は福祉住環境コーディネーター2級の有資格者でもあります。

作業療法士として働きながら「第38回福祉住環境コーディネーター試験」に合格しました。

作業療法士という国家資格がありながら、福祉住環境コーディネーターの資格を取った理由は自分の勉強のためです。

福祉住環境コーディネーターの資格で仕事をしていこうと思ったのではありません。

作業療法士としての自分を高める目的で福祉住環境コーディネーターを取得しました。

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福祉住環境コーディネーターとは

福祉住環境コーディネーターとは、高齢者や障がい者に対し、できるだけ自立して、いきいきと生活できる住環境を提案するアドバイザー。

引用:福祉住環境コーディネーター検定試験HP

福祉住環境コーディネーターは、医療・福祉・建築について幅広い知識を身につけて、高齢者・障害者の住環境を支援します。

福祉住環境コーディネーターの役割は以下のとおり。

  • 高齢者や障がい者の暮らしの問題点を調査
  • 問題点の解決策を提示
  • 他職種との連携や仲介

高齢者・障がい者の生活は一人ひとり違うので、福祉住環境コーディネーターは生活スタイルを適切に評価して、クライエントの自分らしい生活を導かなくてはいけません。

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福祉住環境コーディネーターは使える資格なのか

福祉住環境コーディネーターの取得を考えている人は、資格の利用価値が気になるところだと思います。

お金を払って資格を取ったのに価値がなければ意味がありません。

ここでは福祉住環境コーディネーターが取る価値のある資格なのかを解説します。

作業療法士として福祉住環境コーディネーター2級を取得した私の雑感です。

福祉住環境コーディネーター2級を取るメリット

私は福祉住環境コーディネーターを取得して1年が経ちました。

1年を経て、福祉住環境コーディネーターのメリットを考えたとき、頭に浮かんだのはひとつだけでした。

「家屋調査のときに役に立つ」

家屋調査とは退院前に患者さんの自宅を訪問し、間取り・段差の有無・手すりの位置などを評価することを言います。

家屋調査は作業療法士として行うのですが、そのときに住環境の知識が長けていると適切な判断ができるのです。

住環境について詳しくないリハビリ職やケアマネジャーは多いので、福祉住環境コーディネーター取得していると一目置かれます。

福祉住環境コーディネーターは使える資格ではない

「福祉住環境コーディネーターは使える資格なの?」と聞かれたら、「使えない」と正直に答えるでしょう。

使えるの基準は人それぞれだとは思いますが、福祉住環境コーディネーターの資格だけでお金を稼ぐのは難しいです。

福祉住環境コーディネーターの資格だけでは、福祉用具レンタル会社に就職することはできません。

なぜなら、介護保険サービスとして福祉用具レンタル事業を行う場合、各事業所に2名以上の福祉用具専門相談員を配置することが定められているからです。

福祉用具レンタル会社は優秀な福祉住環境コーディネーターの有資格者だけを集めても、事業所をつくることができないのです。

福祉用具レンタル会社が事業所をつくるためには、福祉用具専門相談員が必要不可欠です。

つまり、福祉用具レンタル会社は福祉住環境コーディネーターより福祉用具専門相談員の資格をもっている人のほうが利用価値があります。

基本的に福祉住環境コーディネーターはスキルアップのための資格です。

福祉用具専門相談員として就職するとき、福祉住環境コーディネーターの資格があると評価される程度のこと。

福祉住環境コーディネーター1級は特別

福祉住環境コーディネーター1級は特別です。

2級、3級は受験資格に制限がありませんが、1級は2級合格者のみが受験できます。

さらに、2017年度の1級合格者は全国で28人だけであり(受験者473人、合格率5.9%)、福祉住環境コーディネーター1級が狭き門だということがわかります。

福祉住環境コーディネーター1級では、福祉コミュニティづくり、バリアフリー法、高齢者・要介護者向けの住宅整備などが勉強範囲に含まれています。

そのため、福祉住環境コーディネーター1級の資格を取れば、新築・リフォームのプラニングや介護施設の住環境整備といった側面でも関わることができます。

福祉の観点からの街づくりに興味がある建築士の方々が受験を目指すのではないでしょうか。

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就職を有利にしたいなら福祉用具専門相談員を取るべき

メインとなる資格・仕事があったうえで、スキルアップのために福祉住環境コーディネーターを取る人が多数だと思います。

あなたが就職を有利にしたいなら福祉用具専門相談員を取るべきです。

福祉用具の分野で働きたいのなら、福祉用具専門相談員の資格を取るのが第一歩だと思います(その他の医療・福祉専門資格を取るなら別ですが)

福祉用具は介護保険で利用されることがほとんどなので、介護保険に関わることができなければ話になりません。

そのためには、介護保険での福祉用具レンタルに関わることができる福祉用具専門相談員が必要なのです。

福祉用具専門相談員は厚生労働省に認定されている資格です。

福祉住環境コーディネーターは民間資格です。

どうせだったら、国のお墨付き資格のほうがいいと思います。

福祉用具住環境コーディネーターは役に立つ

この記事を読んで、「福祉住環境コーディネーターはいらないの?」と思った人は多いでしょう。

決してそんなことはなく、福祉住環境コーディネーターは役に立ちます。

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、建築士の学校では深く勉強しない知識が盛り込まれているのでスキルアップにつながります。

医療・福祉の分野で働いている専門職は、福祉住環境コーディネーターの知識を知っておくと仕事の幅が広がるはずです。

また、福祉用具レンタル会社によっては、福祉住環境コーディネーターの取得を義務づけている場合があります。

新人研修の一環として、福祉住環境コーディネーターの勉強と受験が含まれているのです。

福祉用具の分野で働きたいのなら、福祉住環境コーディネーターの資格を取っておいても損はありません。

まとめ

福祉住環境コーディネーターは「使える資格」ではないけれど「役に立つ資格」です。

医療・福祉の分野で働きたいのなら、取得を目指してもいいかもしれません。

看護師にしても、リハビリにしても、介護士にしても、福祉用具と住環境の知識があると患者さんへのアプローチがより良いものになります。

時間のある学生のころに勉強をかねて福祉住環境コーディネーターを取るのがいいと思います。

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