このページでは投資信託のコストの違いを解説します。
投資信託はアクティブファンドとインデックスファンドに分けられます。
アクティブファンドとインデックスファンドはどちらとも投資信託なのですが、運用コストに大きな違いがあるのです。
- アクティブファンドがコストが高い
- インデックスファンドはコストが低い
投資をするうえで運用コストの存在は大きいので、投資信託を選択するときは注意してください。
運用コストが高いアクティブファンドは買うべきではありません。
投資信託とは
投資信託とは、投資家から集めたお金をまとめて、専門家が株式・債券などに投資して、リターンを投資家に分配する仕組みです。
引用:投資信託協会HP
投資信託とファンドは同義語だと思っても構いません。
そして、投資信託は「インデックスファンド」と「アクティブファンド」の2つに分けられます。
【インデックスファンド】
引用:投資信託協会HP
あらかじめ定めた指数(インデックス)に連動することを目標に運用するファンド。日経平均株価、TOPIX(日本)、S&P500(米国)のような平均株価指数(インデックス)とそのファンドの基準価格が同じ値動きをすることを目指す運用をするファンド。
【アクティブファンド】
引用:投資信託協会HP
投資信託の信託財産を運用するに当たって、あらかじめ決められた指数を上回る運用成果をめざすファンド。ファンドマネジャーが積極的・戦略的に投資対象、組入れ比率、売買のタイミング等の投資判断を行い運用するファンド。
インデックスファンドとアクティブファンドにはそれぞれ特徴があります。
インデックスファンドとアクティブファンドでは運用コストが大きく違うので、投資信託を選択する際は注意してください。
投資信託の運用コストは大きく違う
インデックスファンドとアクティブファンドの運用コストは大きく違います。
投資信託の運用コストの違いを意識せず、銀行員がおすすめする割高な投信を購入してしまう人は多いです。
これから投資信託を始める方は運用コストの違いをしっかりと理解しておきましょう。
投資信託の運用コストは主に3つです。
【買付手数料】
投資信託を買うときにかかる手数料
【信託報酬】
投資信託を管理するのにかかる手数料
【信託財産留保額】
投資信託を売却するときにかかる手数料
投資信託の種類によって運用コストはさまざまなので、自分でしっかりと確認するべきです。
インデックスファンドとアクティブファンドの運用コストを比較します。
上2つがインデックスファンド、下2つがアクティブファンドです。
ファンド名 | 買付手数料 | 信託報酬 | 信託財産留保額 |
ニッセイ日経225インデックスファンド | なし | 0.27% | なし |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | なし | 0.15% | なし |
ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型) | なし | 1.55% | なし |
三菱UFJ国際-三菱UFJ 日本株アクティブ・ファンド | 3.24% | 1.62% | 0.2% |
※小数第3位以下切り捨て
インデックスファンドとアクティブファンドの運用コストは最大で6倍以上の違いが生まれます。
「三菱UFJ 日本株アクティブ・ファンド」は高コストなので買う気になれません。
投資信託の運用コストは低ければ低いほどいいので、購入時手数料や信託報酬は必ずチェックしてください。
投資信託によって運用コストが違う理由
インデックスファンドとアクティブファンドで運用コストに大きな違いがある理由を解説します。
投資信託のコストの違いは運用方針を比較すればわかるのです。
「ニッセイ日経225インデックスファンド」と「ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)」を比較して説明します。
引用:SBI証券HP
まずはニッセイ日経225インデックスファンドの運用方針です。
【ニッセイ日経225インデックスファンドの運用方針】
国内の株式を投資対象とし、日経平均株価の動きに連動する成果を目標に運用を行うインデックスファンドです。
次にニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)の運用方針です。
【ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)の運用方針】
日本企業の株式を投資対象とし、中長期的な観点から「日経平均株価(日経225)」を上回る投資成果の獲得をめざし運用を行います。徹底した調査・分析を通じて、優れた経営効率と利益成長力を有し、株価の上昇が期待される銘柄に投資します。
アクティブファンドの運用方針のほうが文章のボリュームがすごいです。
重要なのは、ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)の運用方針にある「徹底した調査・分析を通じて」と「株価の上昇が期待される銘柄に投資」という部分です。
以下より、詳しく説明していきます。
徹底した調査・分析
ほとんどのアクティブファンドは「徹底した調査・分析」をして運用されるのです。
「徹底した調査・分析」にはいろいろな要素が含まれます。
- 企業調査
- 企業経営者へのインタビュー
- セミナー・会合への参加
- 最先端の情報収集機能
- 証券アナリストやファンドマネジャーなど専門家の分析
アクティブファンドはさまざまな方面から調査・分析して運用されます。
そして、「徹底した調査・分析」はお金がかかるのです。
企業調査や経営者へのインタビューは無料ではありません。
情報端末の整備、最新情報の収集にはお金がかかります。
証券アナリストやファンドマネジャーには給料を払わなければいけません。
アクティブファンドの運用にはたくさんの人間が関わっているので、その分だけ運用コストが高くなるのです。
アクティブファンドの「徹底した調査・分析」にかかるお金は運用コストに計上されます。
そのため、「徹底した調査・分析」の費用が高いとアクティブファンドの運用コストも高くなります。
結果、ファンドの運用コストが高くなると、投資家が負担するコスト(買付手数料、信託報酬、信託財産留保額など)も高くなるのです。
株価の上昇が期待される銘柄に投資
アクティブファンドはインデックスファンドを上回るために、株価の上昇が期待される銘柄に投資していきます。
しかし、株価が上昇する銘柄だけを買うことは不可能です。
- 全く上昇しないこともある
- 上昇したら下降することもある
- 買ってすぐに下降することもある
アクティブファンドの運用者でも株価の動きはわかりません。
運用予測が間違っていたとき、アクティブファンドは早急な対処をしなければいけません。
- 買った銘柄が急上昇したら追加投資を検討する
- 買った銘柄が急下降したら損切りを検討する
- 買った銘柄が全く変動しないときは新たな投資先を検討する
上記の例をみるとわかりますが、アクティブファンドは株式の売買を頻繁に行っています。
アクティブファンドはインデックスファンドを上回るために行動する必要があり、自然と株式売買の回数は多くなっていきます。
株式の売買は基本的にお金がかかりますし、株式を売買するほど手数料は増えるのです。
そして、運用における株式売買手数料が高いと、ファンドの運用コストは高くなり、投資家が負担するコスト(買付手数料、信託報酬、信託財産留保額など)も高くなるのです。
運用コストの違いは成績に影響する
投資信託の運用コストが高いほど、あなたの得るリターンは目減りします。
例えば、運用コスト2%の投資信託Aを運用しているとします。
投資信託Aを運用することで6%のリターンを上げることができました。
投資信託Aのトータルリターンは以下のとおり。
6%(リターン)-2%(運用コスト)=4%(トータルリターン)
素晴らしいリターンを上げても、運用コストが高ければ成績は悪くなるのです。
さきほど紹介した「ニッセイ日経225インデックスファンド」と「ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)」のコスト差は1%以上あります。
つまり、ニッセイ日経225アクティブファンド(資産成長型)は、市場平均より1%以上の運用成果を上げないといけないのです。
市場平均を1%以上超え続けるは大変だと思います。
アクティブファンドの成績が悪いのは「高コスト」が原因です。
どれだけ優秀な投資信託でも運用コストが高ければ、素晴らしい成績は長続きしないでしょう。
まとめ
投資信託の運用コストの違いは第一にチェックしましょう。
アクティブファンドは運用コストが高いので避けて、投資初心者はインデックスファンドを選ぶべきです。
アクティブファンドのコストが高い理由をまとめると以下のとおり。
- 市場平均を上回るために、企業の分析・調査を行ったり、情報収集活動を行ったり、専門家の力を借りたりするので運用コストが高くなる。
- 株式の売買を頻繁に行うので運用にかかる売買手数料が高くなる。
一般家庭の資産運用において、アクティブファンドは不要だと思います。
ただ、なかには素晴らしいアクティブファンドもあるのです。
コストのハンデを乗り越えて、インデックスファンドより好成績を上げているアクティブファンドは存在します。
あなたが「これだ!」と思ったなら、アクティブファンドでも投資してみればいいでしょう。
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