このページでは作業療法士の将来性について解説します。
作業療法士の資格があれば将来は安心というのは幻想です。
作業療法士に将来性はないかもしれません。
厳密にいうと、生き残る作業療法士と生き残れない作業療法士に分けられると思います。
これからの時代は努力をしない作業療法士が淘汰されていくでしょう。
作業療法士として明るい未来を掴みたいならキャリア形成を考えて行動するべきです。
作業療法士に将来性はない
作業療法士全体を見たとき、将来性は不安だと感じています。
従来の働き方ではやっていけない時代がくるでしょう。
作業療法士の将来性が不安である理由を簡単に説明します。
作業療法士有資格者の増加
日本作業療法士協会が作成した「作業療法士を取り巻く状況について」という資料に以下のグラフがのっています。
グラフは1966~2014年の作業療法士有資格者を示しており、青い棒グラフ(有資格者数)は右肩上がりで急増しているのです。
日本作業療法士協会誌によると、2018年3月1日現在の作業療法士有資格者は84947名であり、2014年の70676名と比べて増加しています。
需要と供給のバランスを考えたとき、作業療法士の数が増えると職業価値が低下するかもしれません。
作業療法士の需要がないのに、作業療法士がたくさん増えても、作業療法士は余るだけです。
作業療法士の求人には限りがあるので、求人がすべて埋め尽くされた場合、量産された作業療法士は行き場を失います。
公的保険の崩壊と少子化
今後、少子高齢化はさらに進行すると考えられています。
高齢化により社会保障費は増大し、国が負担する医療・介護保険の費用も増えていくでしょう。
医療・介護保険が崩壊して「公的の医療・介護を縮小」となれば、国というバックがなくなった病院・施設は大変です。
国からの報酬を減らされたら、作業療法士は稼ぐことができなくなるので、作業療法士の価値は下がってしまいます。
また、高齢化のピークが過ぎると、少子化により高齢者人口は減少していきます。
作業療法の対象者である高齢者が減少するということは、作業療法士の仕事相手がいなくなるということです。
「作業療法士は増加するけど作業療法の対象者(高齢者)は減少する」というジレンマを抱えるかもしれません。
高齢化が終わりに近づくと、生き残れない作業療法士が出てくるはずです。
作業療法士が40代までにするべきこと
作業療法士に将来性はないと悲観するのではなく、作業療法士の未来を変えるために行動するべきです。
作業療法士として生き残りたいなら40代までにするべきことがあります。
作業療法士の将来を決めるヒントが堀江貴文さんの著書「多動力」に書かれていました。
作業療法士として生き残るためには、従来の仕事形態ではナンセンスだと思います。
多動力を意識して、新しいことに挑戦したり、何かを変えたりする必要があるのです。
作業療法士の将来には多動力が求められる
これからの作業療法士には堀江さんの著書にある「多動力」が必要です。
「多動力」とは、いくつもの異なることを同時にこなす力。
引用:多動力/堀江貴文
多動力とは複数の作業を同時にこなす力であり、作業療法士が将来性を築くために必要不可欠な力です。
作業療法士に多動力が求められる理由を簡単に説明します。
「IoT」という言葉は耳にしたことがあると思います。
「IoT」とは、モノのインターネットのことであり、世の中のあらゆるモノがインターネットとつながることを意味します。
インターネットであらゆる産業がつながると、今まで既得権をもっているからと安心していた業種は、時代の進歩とともに淘汰される可能性があるのです。
例えば、テレビがスマホアプリのツールになると、家でテレビを見る必要がなくなります。
「テレビは一家に一台」という時代から、「テレビはスマホ」という時代に変わるかもしれないのです。
家にテレビがなくなるので、テレビ局は簡単に視聴率を確保できなくなり、スポンサーも付いてくれるかわからないでしょう。
テレビ業界はスマホでの視聴率を獲得するためにネット、YouTube、LINE、ブログ、スマホゲームなどのツールと競い合う必要が出てきます。
つまり、産業の水平分業型モデルによって、テレビの淘汰が始まるのです。
すべての産業が「水平分業型モデル」となり、結果「タテの壁」が溶けていく。この、あらゆる産業のタテの壁が溶けていく、かつてない時代に求められるのは、各業界を軽やかに超えていく「越境者」だ。
引用:多動力/堀江貴文
作業療法士も同じで「病院・施設で働いて給料をもらう」というタテの壁が崩れていくかもしれません。
あらゆる産業がつながっていくなか、作業療法士が従来どおりの働き方をできるかは疑問です。
堀江さんは水平分業型モデルで活躍できるのは「越境者」であり、必要な能力が「多動力」であると書かれています。
ひとつの業界にとどまらず、次から次へと業界に足跡を残していく作業療法士が生き残るのです。
多動力で自分の価値を1万倍に上げる
3つの肩書きをもてばあなたの価値は1万倍になる。
引用:多動力/堀江貴文
いくつもの肩書きをもつと、あなたが唯一無二の存在となるので、価値が何倍にも膨れ上がるのです。
作業療法士の肩書きだけでなく、いくつかの肩書きをもつことによって、あなたの価値が上がります。
需要に対して供給(あなた)は唯一無二なので大きな価値を生み出せるのです。
「作業療法士という資格で一生食べていく」といっている人は危険です。
作業療法士という資格にこだわらず、肩書を増やす努力をして、柔軟に考えることが大切だと思います。
ただ、肩書きを増やすといっても、何でもよいわけではありません。
- 作業療法士と医師
- 作業療法士と看護師
- 作業療法士と理学療法士
上記のような肩書きの組み合わせは役に立ちません。
医師や看護師など、同じ医療系の強力な肩書きを増やすと、作業療法士という肩書きの効果が薄まってしまいます。
理学療法士や言語聴覚士などのリハビリ系の肩書きを増やしても意味はなく、同じような肩書きでは活躍する範囲が広がっていきません。
増やす肩書きは遠く離れた分野が効果的です。
作業療法士と作家、プログラマー、医療コンサルタント、投資家、施設経営者、WEBサイト経営、技術講演者など。
「作業療法士プログラマー」という肩書きをもっている作業療法士がいるでしょうか?
作業療法士プログラマーがいたとしても日本に数人くらいだと思います。
作業療法士プログラマーは1億分の数人の価値があり、これからの時代はたくさんの肩書を持っている人が求められるのです。
作業療法士の将来性は不安だけど未来は変えられる
私は作業療法士の将来性に不安を感じていますが、それと同時に可能性も感じています。
なぜかというと、高齢者人口が減少しても、医療・介護保険が崩壊しても、「作業」はなくならないからです。
どんな時代が訪れても、人は働いて、料理して、お風呂に入って、買い物して、着替えて、遊んで、生きていきます。
いつの時代にも「その人がやりたい作業」は存在し続けます。
作業療法士は「作業(人が行うことすべて)」に焦点をあてる専門家です。
「私たち作業療法士が専門としている「作業」は、人間が地球に存在するかぎり、未来永劫なくならないので、作業療法士の活躍の場もなくならない」
ただ、作業療法士は医療・介護保険の枠に収まってはいけません。
これからの時代、作業療法士の可能性を活かして、枠から飛び出ることは本当に大切です。
作業療法士の将来性を妨げるもの
作業療法士の将来性を妨げるものは2つあります。
- 頭がカタい作業療法士
- 挑戦心のない作業療法士
上記の作業療法士は将来性を妨げる価値観をもっているのです。
将来性のない作業療法士にならないために、意識しておくべきことがあります。
それは「自分の価値観」を貫き通すことです。
作業療法士としての価値を上げるために、自分の価値観を貫き通して進んでいきましょう。
頭のカタいセラピスト
本業一筋で取り組んでいる人をみると信念があってすごいと思います。
- 臨床一筋のセラピスト
- 10の治療手技を身につけたセラピスト
- 年間100以上の研修に参加するセラピスト
リハビリの世界でも「The 作業療法士」みたいな人が尊敬されます。
ほとんどの人は作業療法がしたくて作業療法士になったですから、「The 作業療法士」をリスペクトするのは正しい感情です。
ただ、残念なのは本業以外の仕事をかけもちしていると、作業療法をおろそかにしているというレッテルを貼られることです。
医療・福祉の世界では、複数のキャリアを持つことは不真面目なイメージがあって非難されます。
作業療法士が多動力を意識すると批判されるのです。
「The 作業療法士」も凄いですが、「多動力作業療法士」も凄いので、周りの目は気にせず自分の価値観を貫きましょう。
挑戦心のないセラピスト
作業療法士の志望動機で意外と多いのが「安定」です。
しかし、安定した生活を求めすぎると、好奇心は失われ自分の成長が妨げられます。
変化のない安定も大切ですが、新しいことにチャレンジして変化を求めることも大切です。
新しいことに興味を失ってしまえば10代でも老人だし、新しい刺激を求め続けるのならば60歳でも若者だ。
引用:多動力/堀江貴文
新しいことへのチャレンジは体力を使うし緊張もします。
- 留学してみたい
- 起業してみたい
- モデルを目指したい
- セミナーに参加したい
新しいことに挑戦する前は、失敗したらどうしよう、できなかったらどうしようとネガティブに襲われるでしょう。
しかし、挑戦心のない作業療法士は生き残れません。
病院に勤めていて実感するのが、新しいことにチャレンジしているお年寄りは元気でイキイキしていることです。
作業療法士のなかにも、挑戦しない人、惰性で過ごしている人、文句ばかりの人がいます。
挑戦心のない作業療法士に惑わされず、自分の価値観を信じて将来性のある作業療法士になりましょう。
作業療法士の古い殻を転職で吹き飛ばす
古い考え方が蔓延している職場で作業療法士の価値を高めることは難しいです。
あなたが新しいチャレンジをしようとしても、頭のカタい上司に潰されるでしょう。
また、仕事量の多いブラック職場では、自分の価値を高めていく余裕がありません。
仕事に追われて疲弊していたら、新しい挑戦はできないと思います。
尊敬できる先輩を求めて、働きやすい環境を求めて、転職するのはひとつの手です。
どうしようか悩んでいるなら時間を無駄にしないためにも思い切って環境を変えるべき。
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まとめ
作業療法士に将来性はないという前提で記事を書きましたが将来は誰にもわかりません。
作業療法士は今と変わらずに仕事をしていけるかもしれません。
作業療法士の未来はどうなるかはわからないし、私はどうでもいいとも思っています。
なぜかというと、私は「多動力」を持って作業療法士として生きていくのが楽しいからです。
私はプロフェッショナルを否定しているわけではありません。
ただ、作業療法士として枠を飛び出すのが楽しいのです。
最後に堀江さんの言葉を紹介しておきます。
重要なことはJust do it! Just do it!
引用:多動力/堀江隆文
ただ実践することだ。
失敗して転んでも、また実践する。
膝がすり傷だらけになっても、子供のように毎日を夢中で過ごす。
あれこれ考えるヒマがあったら、今すぐ、やってみよう!
日頃から自分が何に時間をつかっているのか見直しましょう。
多動力をもって生きていくことは人生を豊かにするはずです。
20代で30代のキャリアが決まります。
30代で40代のキャリアが決まります。
Just do it!
Just do it!
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